1921年から1962年にかけて、モンポウは、《歌と踊り》と題する12曲の作品を作曲した。1928年に第4番が作曲された後、親の死やスペイン内戦などの不幸が重なり、作曲することができなくなっていた。そこから長い年月を経て、第5番は、1942年に作曲された。人気の高い一曲だ。
嬰ハ短調、4分の8拍子。重々しい歩みのよう歌われる、悲しみに満ちた『歌』は、嬰ハ音の上に重ねられた5度の響きが印象的である。一音一音を大切に、祈るように。『踊り』の部分はホ長調、8分の6拍子。心の傷は癒えていないが、徐々に明るい光と喜びへと向かう希望のようなものも感じられるかもしれない。フレーズの長さの変化、踊りに特有なアクセント、4分の6拍子への絶妙な切り替えによって、リズムの面白みがより増している。標準演奏時間は4分30秒。