モンポウ :歌と踊り 第3番
Mompou, Federico:Canciones y danzas
執筆者 : 和田 真由子 (276文字)
『歌』はモデレ。カタルーニャのクリスマス民謡《聖母の御子》がもとになっている。調合、拍子はかかれていないが、ニ長調に近い。この曲は子守歌でもあるが、下降する音形が眠りを誘い、その上で歌われる旋律は愛情に満ちている。
『踊り』は、タン・ド・マルシェ。カタルーニャのサルダーナ舞曲の調子にもとづく。調号はかかれていないが、モンポウオリジナルの旋法にもとづくが、ト音が中心になっている。8分の6拍子。冒頭からオクターブで表されるステップのリズムが愉快である。また、旋律の下に加えられた不協な和音が耳に斬新に響く。リズムは活気に満ち、変化に富む、魅力的な一曲だ。
歌と踊り 第3番(Mompou)
歌と踊り 第3番(Ciccolini)