ヘンデル : ソナタ ト長調 HWV 579
Händel, Georg Friedrich : Sonata for Harpsicord with Double Keys G-Dur HWV 579
作品概要
作曲年:1707年
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(741 文字)
更新日:2024年6月17日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (741 文字)
ヘンデルの魅力満載の、極めて楽天的なソナタです。1~3小節間がテーマ(主題)となり、このテーマは、D-dur、C-dur、e-mollなど、多くの調に転調して登場します。勿論、その都度、テーマの雰囲気を変えなければなりませんが、提示部、展開部、再現部を判っておきましょう。これ以外の分析もあるとは思いますが、一例として、
提示部 1~35小節間
展開部 36~85小節間
再現部 86~123小節間
になります。
このソナタで気をつけなければならない事は、16分音符の処理です。16分音符は動いている音符に注目します。例えば、7小節目であれば、各拍の頭の音である、H A H A 8小節目は、H C HC。また、33小節目のような3度進行で上行したり、下行したりするパッセージの場合、全ての音に対して力を入れるのではなく、重要であろう声部、例えば、33小節目3拍目からの右手表拍の、H C D E Fis G Fis E D E C D H C A を聴くようにして、裏拍に来る音符は軽く弱く弾くようにします。
44小節目のような、オルガンポイント(ペダルポイント)で書かれてある音符は当然、Fis A D A H G A D を聴かせるようにして、オルガンポイントの音であるDは静かに弾きます。特にこの場合、Dは右手1の指が担当すると思われますので、尚更力を抜くようにします。
16分音符に気を遣うとは言え、ピークポイントに向かう時、16分音符がテンションを高めます。
恐らくであろうピークポイントは、56小節目辺りかもしれません。その際も右手1の指が担当する音は控えめにした上で、テンションを高めると良いでしょう。そしてそのまま、e-mollのテーマに入り、テンションは高いままで先に進みます。