作品概要
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(836 文字)
更新日:2007年6月1日
[開く]
執筆者 : 和田 真由子 (836 文字)
この作品はしばしばドビュッシーが印象主義的なピアノ技法を確立した作品として評される。作曲が完成した直後に書いた手紙の中で、「曲名がとても気に入っている」と書いている。また、全体は三曲から構成されており、各曲それぞれ、オリエント、スペイン、フランスから題材をとっているが、実際にドビュッシーは東洋にもスペインにも行ったことがないため、「想像でうめあわせをするしかありません」と同手紙に書かれている。
1890年代半ばごろから作曲に着手し、1903年に完成、翌年初演された。大作オペラ《ペレアスとメリザンド》を完成させ、初演などを終えた時期で、しばらくぶりの本格的なピアノ作品となる。
《版画》はジャック・エミール・ブランシュに献呈されている(ただし、第二曲の〈グラナダの夕〉は、それよりはやくピエール・ルイスに献呈されている)。古典的な和声概論にとらわれないその音づかいに、当時の理論教師たちは目をむいたようだ。
〔第一曲〕塔
ドビュッシーは1889年にパリで開催された万国博覧会において、バリ島民の演奏するガムラン音楽をきき、深く興味をもった。この曲はその影響を反映したといわれている。
五音音階を用いた東洋風の主題が、変化し、繰り返され、独特の雰囲気をつくりあげている。
〔第二曲〕グラナダの夕べ
ハバネラのリズム、ムーア人の歌調、ギターの響き、スペイン・アンダルシーアの古都グラナダを彷彿とさせる音楽となっている。スペインの作曲家ファリャも、この作品をきいて、ドビュッシーの天性の想像力と才能を賞賛した。三段譜が登場する。
〔第三曲〕雨の庭
繊細なアルペジオによって庭の木立にふりかかる雨が描かれる。「ねんねよ、坊や Dodo l’engant do」と、「もう森にはゆかないよ Nous n’irons plus au bois」という二つのフランス童謡からあおいだ主題を、曲中にたくみに引用してかかれている。
日本的なしっとりした雨のイメージと比べると、かなりカラっとした印象がある。
楽章等 (3)
ピティナ&提携チャンネル動画(35件) 続きをみる
楽譜続きをみる
楽譜一覧 (20)

(株)音楽之友社

(株)全音楽譜出版社

(株)全音楽譜出版社

ハンナ(ショパン)

(株)ドレミ楽譜出版社

(株)ドレミ楽譜出版社

ハンナ(ショパン)

(株)ドレミ楽譜出版社

ハンナ(ショパン)

(株)全音楽譜出版社

(株)ドレミ楽譜出版社

ヘンレー

(株)全音楽譜出版社

ヘンレー

ヘンレ社(ヤマハ)

デュラン社

ヘンレー

Peters

Peters

Peters