作品概要
解説 (1)
執筆者 : 鯛中 卓也
(514 文字)
更新日:2007年6月1日
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執筆者 : 鯛中 卓也 (514 文字)
更新日:2007年6月1日
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ショパンが、初めて出版を想定して書いた作品。
CとGのたった2音からなる4小節の序奏に続き、活発で軽々としたロンド主題がハ短調で現れる。ハ短調の中でいくつかの展開の後、ロンド主題と対照的で、甘美かつ穏やかなホ長調の主題にたどり着く。その主題は嬰ニ短調に転調して、徐々にドラマ性を高めていき、情熱的な嬰ト短調の主題、そしてエンハーモニックを用いた変イ長調の流れるような主題を介して、最初のロンド主題に戻る。
その後、先程のホ長調の主題は変ニ長調に転調し、広い音域にわたって長いスケールが現れるなど、さらに発展が拡大した後、再び最後のロンド主題に戻り、序奏と同じく4小節の短いコーダで締めくくられる。
それぞれの主題の推移部が、単に音階で繋がれているだけであったり、発展のさせ方や繰り返しにも工夫が見られない等の欠点があるものの、ピアノ音楽特有の要素も多く取り入れられ、随所に美しい旋律が盛り込まれるなど、ショパンが早熟であったことが見受けられる。
また、後年の作品に見られる一種の暗さがこの作品中ではほとんどなく、むしろ羽ばたいて飛んでいくような明るさと軽さがあり、作曲当時15歳であったショパンの若々しさが存分に伝わってくる作品である。
執筆者:
鯛中 卓也
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