中村 佐和子 :かぶとむしがきょうだいで <ピアノで語る音楽シリーズ3> だいすきな歌
Nakamura, Sawako:KABUTOMUSHI GA KYOUDAI DE *in preparation*
解説 : 池田 愛美 (82文字)
4分の4拍子、ヘ長調。カノン形式。右手と左手が交互に演奏する旋律には、「だいすきなうた、ラララうたいましょ」といった歌詞が付けられており、楽し気な音楽になっている。
演奏のヒント : 大井 和郎 (550文字)
この曲は、ポリフォニーで作られており(多声音楽)、ポリフォニーの秩序を守らなければなりません。つまりは、両旋律は独立して聴かされるべきであり、左右のどちらかの手の事情によって、もう一方が同等化しないようにします。まずこれが1点目。
次に、和音の解決の部分を考えます。例えば、2小節目、この小節の和音はFACですので、右手のGと左手のBがそれぞれ非和声音になります。こう仮定したとき、左手のBは経過音であり、弱拍に来ていますので問題無いのですが、右手のGは強拍に書かれ、しかも2分音符分伸ばされていますね。故に主張が強いのですが、このGは、3拍目のAに解決すると仮定します。そうすると、Aはフレーズの終わりの音でもありますので、Gよりも明らかに弱く弾かなければなりません。Aに向かって消えるように弾いてみてください。
このような箇所があと3箇所あります。4小節目、3拍目から左手の8分音符はディミニュエンドをかけて5小節目のFに達してください。6小節目は2小節目と同じです。そして8小節目、左右双方ともディミニュエンドをかけて終わります。
この曲はテンポによって雰囲気ががらりと変わりますが、その辺りは担当の先生と相談して決めてみてください。
いずれのケースにせよ、8小節目は少しゆっくり目に終わってください。
かぶとむしがきょうだいで <ピアノで語る音楽シリーズ3> だいすきな歌
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