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シューマン, クララ :ソナチネ(ソナタ)

Schumann, Clara:Sonatina

作品概要

作曲年:1841年 
出版年:1991年 
初出版社:Breitkopf und Härtel
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:19分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1412文字)

更新日:2010年1月1日
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自筆譜のタイトル・ページには”Sonatine”と記されており、初めはアレグロとスケルツォの2楽章であった。結婚後のクララの作品の多くのように、この2楽章も最愛の夫ローベルトに贈られたもの。「私の大切な夫よ、愛情を持って受け取って下さい。そしてあなたのクララに寛容であって下さい。1841年クリスマス。」という献辞が付けられている。そして次のような注意書きも添えられた。「最終楽章と、おそらく小さなアンダンテが後でできるでしょう。それまでこの2つの楽章で大目に見て下さい。」この言葉通り、クララは翌1842年のゲヴァントハウスでのニューイヤー・コンサートに出演後すぐに、このソナタを完成させるために作曲を再開したようだ。そして1月の半ば頃、アレグロ(ト短調)・アダージョ(変ホ長調)・スケルツォ(ト長調)・ロンド(ト短調)という循環ソナタ形式のこの作品が完成された。

ローベルトの誕生日やクリスマスには、新作をプレゼントしていたクララ。1840年のクリスマスと1841年6月8日の誕生日は歌曲であった。久々に帰ってきたピアノ曲は、それまで挑戦したことのなかった大きな形式であった。1840年以前にクララが作曲したピアノ曲は、小品がほとんどであった。またこのソナタが完成した1842年に出版されたピアノ曲も、即興曲や練習曲、オペラの幻想曲や変奏曲が中心で、ソナタはごくわずか。このような循環形式を達成することは、クララにとって実に新しいことだっただけでなく、この時代を考えると非常に野心的なことだったのだ。「ソナタ」としては、長い間出版されていなかったけれど、この作品がクララの成長の中で最も重要な画期的作品の1つであるということは間違いないだろう。

第1楽章 アレグロ ト短調

クララがよく演奏したヴェーバーのヘ短調のピアノ協奏曲を思い起こさせる冒頭主題は、初めpで静かに始まり、Mit tiefer Empfindungと記された美しいフレーズが挿入された後、fで活気に満ちて再び聴かれる。変ホ長調の第2主題、そしてUm vieles schnellerの陽気なエピソードが続く。この提示部は、やや素材が過剰なようにも感じられるが、簡潔な展開部でバランスがとられている。展開部の初めは、リュッケルトの歌曲Er ist gekommen(あの方はやってきた)Op.12-2と類似している。そして、やや短縮された再現部が続き、アニマートのコーダで閉じられる。

第2楽章 アダージョ 変ホ長調

当初の言葉通り、小さなアダージョ。レガートで美しく歌い上げる。6連音符の流れるような伴奏が特徴的。

第3楽章 スケルツォ ト長調

とても魅力的な楽章。《4つの幻影》Op.15の第4曲に再編され出版されていることからも自信が窺える。メロディーの創意、陽気な雰囲気、そして哀愁ただようホ短調のトリオは対照が際立つ。

第4楽章 ロンド ト短調

ソナタ・ロンド形式(A B A’ B’ A”)。5つ目を除いて、ほぼ同じ規模を持つ。1楽章のように、短いアニマートのコーダで終わる。このロンド主題をクララは、ハイネの詩による悲しげな歌曲Sie libten sich beide(彼らは互いに愛し合っていた)Op.13-2にも用いた。この歌曲の雰囲気を参考にすると、このロンド主題にテンポ指示はないものの、あまり活発に演奏することは控えたほうが良いのかもしれない。

楽章等 (4)

第1楽章 アレグロ

調:ト短調  総演奏時間:8分30秒 

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第2楽章 アダージョ

調:変ホ長調  総演奏時間:3分00秒 

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第3楽章 スケルツォ

調:ト長調  総演奏時間:2分30秒 

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第4楽章 ロンド

調:ト短調  総演奏時間:5分30秒 

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相馬 素美

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