山田 耕筰 :クランフォード日記二章 付舞踏曲
Yamada, Kōsaku:Cranford NIKKI
解説 : 太田 郁 (631文字)
ニューヨークのカーネギーホールでの 2 回の 管弦楽演奏会を中心に精力的に活動した。1918 年の夏、ニューヨーク近郊の村クランフォードにある山内重馬(カーネギーホールでの演奏会を支援した人物)の別荘で過ごしていた。その間に作曲されたこれら 3 曲のピアノ小品は、作曲当 初は連作ではなかったが、クランフォードで作曲されたという共通点からまとめられた。 山田は当時、標題を持たず日付のみを記載した「日記」の形でピアノ小品を作曲していた。次第に標題がつけられるが、それらは「プ チ・ポエム(日記の一頁)」というジャンルで呼ばれるピアノ小品である。〈樹陰の午後〉、〈泣きぬるる柳〉は 6 月 2 日付の日付で作曲され、 1919 年に《クランフォード日記》としてニュー ヨークの Composer’s Music Corporation より楽譜を出版した。初版は山内夫妻に献呈されている。〈樹陰の午後〉というタイトルは初版刊行の際につけられたもので、草稿では譜面の余白に「或る午後わたしは木陰にすわって語っていた」と英語で書かれているのみである。〈泣きぬるる柳〉は草稿の時点で “The weeping willows” と英語で記されている。第 3 曲の草稿の表紙には「クランフォード日記二章 附 舞踏 曲一章」と記されており、初版出版後、旧春秋 社版が出版される際に、編集者によって “Trois poèmes à Cranford” という表題がつけられた。
1. 樹陰の午後
作曲年:1918 総演奏時間:1分30秒
動画1
解説0
楽譜0
編曲0
2. 泣きぬるる柳
動画2
3. 舞踏曲
作曲年:1918 総演奏時間:4分10秒