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セヴラック :セルダーニャ-5つの絵画的練習曲

Séverac, Déodat de:Cerdaña - 5 Études pittoresques

作品概要

作曲年:1908年 
出版年:1919年 
初出版社:Rouart-Lerolle
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:34分30秒

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (1597文字)

更新日:2007年11月1日
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1908年~1911年にかけて作曲された、セヴラックの重要な作品の一つ。「五つの絵画的練習曲」という副題をもっている。セルダーニャはピレネー山脈にまたがり、スペインとフランスのちょうど堺にある地方の呼び名である。セヴラックはこの土地で、晩年をすごし、一生を終えた。

組曲《セルダーニャ》の中では、ピレネー地方の民謡とリズムが一貫して使われており、地域的な色彩感をさらに深めている。印象派的な作品ではないが、そのピアノ書法によって、スペインの香りそのものが見事に喚起されている。アルベニスのピアノ組曲《イベリア》と比較されることも多い傑作である。所要演奏時間は30分程度。

1.二輪馬車にて / No.1 "En tartane":「セルダーニュへの到着」。冒頭から即興的なレチタティーヴォがのびやかに歌われ、セルダーニュの広々とした景観が目の前に立ち現れてくるようだ。つづいて心地よく響く"らば"のひずめの音、軽快なリズムにのせて心も躍る。「希望」と記された中間部では、レチタティーヴォと同じ旋法を用いた美しい旋律が、艶やかに歌われる。レチタティーヴォの旋律は曲の終りでも再び扱われており、民俗的な曲の色彩をより鮮やかなものにしている。

2.祭 / No.2 "Les fetes":「ピュイセルダの思い出」。冒頭からささやかにはじまるレチタティーヴォ。知らない街にふと足を踏み入れた時のように、期待と不安で胸の奥がくすぐられる。スペイン国境にある街ピュイセルダの祭りだ。続くアレグレットでは、レチタティーヴォの素材が生き生きとしたリズムをもって扱われる。アクセントを伴って高音できらめく音の連続にははっとさせられるものがある。また、「魅惑的なめぐりあい」で歌われる甘く切ない旋律は、胸がしめつけられるほど美しい。「軽騎兵」によるファンファーレ、親愛なるアルベニスとの出会いなどのエピソードも交えつつ、最後は冒頭のレチタティーヴォを回想したのち、静かに曲を閉じる。アルベニスの娘、ラウル・アルベニスに献呈された。

3.遍歴楽師と落ち穂拾いの女 / No.3 "Menetriers et glaneuses":4分の4拍子、第1曲、2曲とは異なり、雄大さ、力強さをもってはじまる。あるセルダーニャ(セルダーニュとカタルーニャの民族舞踏)の主題によって作曲されている。リズムにあわせて賑やかに踊るその雰囲気とは対照的に、中間部は宗教的な厳粛さをもっており、「敬虔な感情を表して、とても表情豊かに」奏する。楽想の変化が多いので、それぞれの部分がもつ気分をしっかりと弾きわけるようにしたい。

4.リィヴィアのキリスト像の前のらば引きたち / No.4 "Les muletiers devant le Christ de Llivia":組曲中最も陰鬱で瞑想的な雰囲気をもつ哀歌。「最も感動的な、神秘写実主義作品の一つ」であるスペインのキリスト十字架像を「この小品の中で表現しようと試みた」、とセヴラックは述べており、第3曲と第5曲の間の《休息》としての役割をこの曲に与えている。序奏につづいて、典礼聖歌《めでたし十字架、唯一の希望》が悲しみをもって歌われる。音の高まりとともにのぼりつめていくのは、祈りの人々のすがるような想いだろうか?溶けるような六連音符にのせてpppで奏される天井の調べには、人々が求めてやまない暖かな光と安らぎがある。

5.らば引きたちの帰還 / No.5 "Le retour des muletiers":前曲とは対照的な軽快さと諧謔をもった曲。中間部では〈祭〉の美しい主題が再び登場し、これまでの出来事が夢のようにおもいおこされる。このような循環的な手法によって、組曲全体の統一感と物語性がより強められている。らば引きたちの姿は次第に遠ざかり、最後はpppで消えるように曲を閉じる。

執筆者: 和田 真由子

楽章等 (5)

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祭 ~ピュイセルダの想い出~

総演奏時間:7分30秒 

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らば引きたちの帰還

総演奏時間:5分30秒 

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