プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ 第6番「戦争ソナタ」 第1楽章 Op.82

Prokof'ev, Sergei Sergeevich:Sonata for piano No.6 Mov.1 Allegro moderato

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:7分30秒

解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (618文字)

更新日:2019年6月25日
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イ短調、4/4拍子。ソナタ・アレグロ形式による。

力強い第一主題は並行三度の下行動機とダイナミックな跳躍の伴奏を主としており、鋭いリズムとバスの三全音によって形作られる不協和音が鮮烈な印象を残す。響きに加え、シンメトリックになっていない楽節構造が、不安定さをさらに引き立てている。推移部では徐々にエネルギーを放出し、第二主題へと移る。第一主題と全くの対照をなす、脆さすら感じさせる素朴な旋律が、オクターブのユニゾンによって提示される。

大規模な展開部は、対位法的に構成されている。序盤は第二主題の冒頭三音(C-D-Fという音型)を主軸としているが、アーティキュレーションやデュナーミクが一変しており、かつての叙情的な雰囲気は全く感じられない。中盤以降になると冒頭主題の並行三度の断片的な動機とともに、副次主題が完全な形で、ときに拡大されながら出現し、楽曲の頂点を形作る。ここから、第二主題の後半をもとにした、三連符による下行音型を主とする動機が強調される。

展開部の規模の割りを食ったかのように、主題の再現は極度に緊縮されている。第一主題ののち、展開部で拡大された形のまま第二主題が現れ、再現部で現れた要素も交えながら、冒頭動機が単独で現れ言明し、楽章を締めくくる。

執筆者: 山本 明尚

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