ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第31番 第3楽章 Op.110
Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.31 3.Satz Adagio ma non troppo - Fuga
作品概要
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:10分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開2 展開3
楽譜情報:2件解説 (2)
解説 : 岡田 安樹浩
(301 文字)
更新日:2019年2月16日
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解説 : 岡田 安樹浩 (301 文字)
第3楽章 序奏 4分の4拍子/フーガ 変イ長調 8分の6拍子
前楽章の終結和音がドミナントの役割を果たし、変ロ短調で開始されるAdagioの序奏は、レティタティーヴォにつづいて変イ短調の「嘆きの歌Klagender Gesang」となる。極めて声楽的な序奏に対し、主部のフーガは古い声楽様式ではなく、きわめて器楽的な様式による自由な3声フーガである。
中間部(第114小節~)で「嘆きの歌」がト短調で回帰し、これを挟んだ後半はト長調となって主題の反行形によってフーガが築かれる。間もなくト短調へ転じ、そこから徐々に対位法的な様式から離れ、主調の変イ長調へ戻ってフーガ主題の動機展開へと発展して楽曲を閉じる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(624 文字)
更新日:2025年10月9日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (624 文字)
色々とわかりにくい譜面なのですが、典型的な問題をお話しします。フーガの前の話です。そもそも、Adagio ma non troppo という表示記号からして意味がよくわかりませんが、要は決して急がない という事であると思います。ベートーヴェンはこの、Adagioという単語をこの第3楽章の7小節間に、5回も使っています。何故彼はここでLargoを使わなかったのかという疑問は出てきますが、Largoそのものが「壮大な」イメージのある言葉に対し、「Adagio」はゆっくり静かにという事らしいです。
この冒頭7小節間の問題は5小節目の、リピートされるAの音です。これをタイと勘違いしてしまう奏者が後を絶ちません。2つの32分音符をタイにするのであれば、始めから16分音符1つを書けば済むことです。では何故、32分音符を2つ書いているのかというと、2つ目の32分音符は、本当に聴こえない程度に鳴らす、余韻の役割を担う連打音と考えます。ですので1つ目のAははっきりと、2つ目のAは殆どならさない、pppで弾きます。
理想の演奏は、山縣美季さんによる演奏です。彼女の連打音の処理を参考にしてください。
132〜136小節間、1拍目を感じる事を忘れないでください。実に感じにくい部分です。
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