ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第26番「告別」 第3楽章 Op.81a

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.26 "Lebewohl" 3.Satz Vivacissimamente

作品概要

楽曲ID:30735
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:F級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開1 展開2 展開3

楽譜情報:1件
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解説 (1)

解説 : 岡田 安樹浩 (749文字)

更新日:2019年2月16日
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(第3楽章)変ホ長調 8分の6拍子 ソナタ形式

[序奏+提示部]

変ホ長調の属七和音によって決然と開始されるフィナーレは、ソナタ形式によっている。10小節にわたって延々と属七和音の分散和音による序奏が続き、主部でようやく主和音に至る。主要主題(第11小節~)は拍頭を刻む和音と八分音符の分散和音からなる。装飾をともなって2度確保されると、和音の連打と分散和音のffに到達する。

副次主題は主調の属調である変ロ長調で提示され、すぐに確保される。2度下降の動機と上行音階パッセージによってコデッタを駆け抜けると、反復記号によって主部がくり返される。

[展開部+再現部]

まず主要主題の断片が変ホ短調であらわれ、平行調の変ト長調を経由し、異名同音への読み替えを駆使してロ長調で副次主題があらわれる。さらに同主短調のVI和音を介してト長調にて副次主題の動機があらわれ、これが主要主題の動機へと変化する。ハ長調からハ短調のVI度和音を経て変ホ長調に戻り主要主題がオクターヴ奏であらわれ、再現部となる。

主要主題が提示部とは異なる伴奏形であらわれ、やはり異なる伴奏形で1度だけ確保されてffの和音連打に到達する。副次主題も主調の変ホ長調であらわれ、外形としては古典的なソナタ形式を保持しているが、この後に主要主題の再提示ともいえる終結部が置かれる。

[終結部]

Poco Andanteに速度を落としたコーダは、主要主題が主部冒頭と同様の形で再現され、再現部において大きく変形して再現された主要主題の再提示とも思える。

主要主題の分散和音動機が執拗にくり返され、ppでドミナント上にフェルマータで留まると、突如冒頭のテンポにもどり(Tempo Iおよびfの指示)、主和音の連打とオクターヴ・トレモロ奏によって決然と楽曲を閉じる。

執筆者: 岡田 安樹浩

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