第3楽章 ヘ短調 4分の3拍子
ロンドと説明されることが多いが、舞曲形式が拡大した2部分形式とみるべきだろう。
クヤヴィアク風の主題が独奏ピアノによって提示される。オーケストラのエピソードに続いて、独奏ピアノによる技巧的なパッセージの連鎖が始まり、マズルカのリズムにのって次々と楽想が展開してゆく。とりわけ、8分3連音符と付点リズムが特徴的なユニゾン楽想(第145小節~)は、この楽章全体の民俗音楽的な雰囲気を一層高めることに貢献している。
冒頭主題が回帰して後半部分となるが(第325小節~)、オーケストラによるエピソードの末尾が変形されてヘ長調(同主長調)へと転じる。ピアノの技巧的なパッセージを経て、マズルカ風の楽想が回帰して楽曲を閉じる。