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サン=サーンス :アラブ奇想曲 Op.96

Saint-Saëns, Camille:Caprice arabe Op.96

作品概要

作曲年:1894年 
出版年:1894年 
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:8分00秒

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (802文字)

更新日:2019年3月29日
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作品概要

出版年 1894年

初出版社 Durand

楽器構成 2台ピアノ

総演奏時間 約8分

サン=サーンスは1889年から1904年まで15年の間、定まった住居を持たずに保養地での長期滞在や世界各地への旅行に明け暮れたが、この時期にも旺盛な創作欲は衰えず、多くの名作が生まれている。本作品もその一つで、1894年に大西洋の離島、スペイン領カナリア諸島のラス・パルマスで作曲され、アルジェリアで親交のあった保険業者ユジェーヌ・ベゲ(Eugène Béguet)に献呈された。初演は1894年11月4日、パリ・シャトレ座のコンセール=コロンヌにて、当時を代表する二人の名手、ルイ・ディエメ(Louis Diémer)とエドゥアール・リスレ(Edouard Risler)により行われた。ベンフェルド(A. Benfeld)による1台4手用編曲(1895年出版)もある。

自由な形式。静かな開始からダイナミックな展開を経て、中盤以降にはノスタルジックな雰囲気も色濃く出るなど変幻自在の楽想を見せ、冒頭に回帰するような穏やかな終止にいたる。作曲者が創作の過程で、幻想曲「アフリカ」(作品89)との対比から本作品を「小さなアフリカ」(une petite Africa)と呼んでいた事実も興味深い。リディア旋法が特徴的なメロディ、伝統的な機能和声法によらない調性の処理、両楽器を有機的に活用したアラベスク状の音の綾、スリリングなポリリズムなどの多彩な書法により、いやがうえにもエキゾティックな気分が高められる。描写音楽ではなく、抽象性が保たれていながら、ここには、弾き手、聴き手の自由なイマジネーションを許す、余情の広がりと懐の深さがあるようだ。

執筆者: 西原 昌樹
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