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サン=サーンス :マズルカ 第3番 Op.66 ロ短調

Saint-Saëns, Camille:Mazurka No. 3 h-moll Op.66

作品概要

作曲年:1882年 
出版年:1883年 
初出版社:Durand
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:マズルカ
総演奏時間:4分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 中西 充弥 (692文字)

更新日:2018年3月12日
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■マズルカ 第3番 ロ短調 Op.66  1882年作曲。ウン・ポコ・アジタート。第1番のマズルカと同様に曲はマズールを基調とし、中間部はクーヤヴィアクの三部形式であるが、第3部の最後において中間部の回想がされコーダに入る。半音階進行がテーマとなっているのも共通するが、第3番においては更にシンコペーション、ヘミオラが多用され、その憂いのある曲調と相まって、この焦らす様な音楽は爛熟した世紀末性を志向している。献呈先はエマニュエラ・ポトツカ伯爵夫人(1852‐1930)であるが、ポトツキ家と言えばショパンとデルフィナ・ポトツカ夫人(1807‐1877)との交友関係が思い出される。これはポーランドの名門貴族の家系であり、エマニュエラが結婚したフェリックス=二コラはデルフィナの夫ミェチスワフの息子である(デルフィナの息子ではない)。現在はパリ商工会議所が所有するパリ8区のポトツキ館はかつてフェリックス=二コラの所有であり、ここでエマニュエラは華やかな芸術サロンを開き作家のモーパッサンも通っていた。まさにプルーストが描いたような社交界であるが、実際エマニュエラが離婚後にオートゥイユで開いたサロンについてプルーストはペンネームを使ってフィガロ紙に文章を寄せている。ちょうど大作オペラ《ヘンリー8世》の初演に向け準備中だったサン=サーンスは、彼女の社交界での口添えを期待してこの《マズルカ》を献呈したのかもしれない。  この第3番に関しても第1番同様、1915年採録のピアノロールの再生録音CD(レーベル:Dal Segno、品番:DSPRCD009)があるので参考にして頂きたい。

執筆者: 中西 充弥

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