ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 第3楽章 Op.13
Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.8 "Pathetique" 3.Satz Rondo-Allegro
作品概要
解説 (2)
解説 : 岡田 安樹浩
(349 文字)
更新日:2019年1月6日
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解説 : 岡田 安樹浩 (349 文字)
ハ短調 2分の2拍子 ロンド・ソナタ形式
本来はヴァイオリンとピアノのデュオのためにスケッチされていたが、最終的にソナタのフィナーレ楽章となった。
分散和音の伴奏の上に、いかにも単音楽器の旋律を思わせる主題が提示される。変ホ長調による副次主題(第25小節~)を挟み、ロンド主題が回帰する(第62小節~)。今度は変イ長調で対位法的な楽想があらわれる(第79小節~)。
この後ソナタ形式的な再現部がおかれ、ロンド主題がハ短調であらわれた後(第121小節~)、副次主題はハ長調で再現される(第134小節~)。
いま一度ロンド主題があらわれると(第171小節~)、これが副次主題の3連音符の要素へ発展してコーダを形成する。変イ長調がほんのひと時顔をのぞかせるが、3連音符の下降音型によってハ短調で楽曲を締めくくる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(581 文字)
更新日:2025年10月9日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (581 文字)
この第3楽章はAllegroとなっているのですが、始めから速いテンポで弾いてしまうと、3連符が出てきた時にテンポが遅くなってしまいます。出来ればテンポは1つにしたいところですので、最初はあまり速く弾き始めない方が良いでしょう。
全体の構成は、弦楽4重奏をイメージして頂いて間違い無いです。勿論ピアニスティックな部分も観られますが、例えば、44〜50小節間等、弦楽4重奏をイメージしてみてください。
多くの奏者が犯すミスを述べます。それは、51小節目、2拍目左手の2分音符、Asです。和音分析をすれば1拍目は I 、2拍目は V です、そしてこのV が再び、I に戻ります。このAsは、V BDFAs の第7音なのですが、次の小節でGに解決されて然るべきです。そうして考えた場合、わざわざこのAsをGに向かうまでに切ってしまう理由は1つもありません。51小節目の左手は、Esから始まっています。つまりは、最初は8分休符です。従って、52小節目の左手の最初の音は、新たなフレーズの始まりでは無く、前の小節の最後の音と考えます。
この先このAsが何度も出てきますので、決して次のGまで切らないこと。
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