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バッハ : インヴェンション  第14番 BWV 785 変ロ長調

Bach, Johann Sebastian : Invention Nr.14 B-Dur BWV 785

作品概要

楽曲ID:22497
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用3 応用4 応用5 応用6 応用7 発展1

楽譜情報:37件
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解説 (3)

解説 : 髙松 佑介 (200 文字)

更新日:2020年9月18日
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変ロ長調、4/4拍子。

祝祭的な曲調をもつ。主題は分散和音を基本として、32分音符の経過音を伴う走句が華を添える。

曲は4つの部分から成る。第1部(第1~5小節)で主題が提示されたあと、第2部(第6~11小節)で声部交換によって属調で主題が提示されつつ、転調する。第3部(第12~16小節)では下声部を上声部が追うカノンが展開され、第4部(第16~20小節)では主題がカノン風に再現する構成となっている。

執筆者: 髙松 佑介

楽曲分析図 : 林川 崇 (128 文字)

更新日:2018年3月15日
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冒頭の動機a、及びその反行型で全体が構成されている。

16小節3拍目からの主題の再現は、後続声部が、厳密には模倣していない箇所があるのと、追走が途中でなくなるため、「再現(カノン風)」とした。

譜例提供:ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)

執筆者: 林川 崇

演奏のヒント : 大井 和郎 (1545 文字)

更新日:2018年3月12日
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第14番 変ロ長調  バッハのB-durは、C-durの持つ純真無垢なキャラクターとは少し異なり、気品と高貴なムードが加えられます。C-durの色が白であれば、B-durは銀色といったところでしょうか。パルティータなどのB-durを見ても、そのカラーは独特ですね。  このインベンションも色々な弾き方ができると思いますが、そこまで躍動的ではないような気もします。落ち着いた雰囲気から察するに、moderatoでレガートをかけ、32分音符に無理のないスピードでテンポ設定をすれば良いと思います。 それでは冒頭から分析してみましょう。1小節目、右手の主題は1拍目、16分休符1つの後から始まり、2小節目の最初の音であるGで終わると仮定します。その場合、この1つの主題はBから始まり、オクターブ上のBまで到達し、そこから再び下行してくる事がわかります。ダイナミックは自然に、2-3拍目に向かって少し大きくすると良いでしょう。  2小節目。見てみると1小節目ととても似た音形がある事がわかります。しかし2小節目の場合、最高音はEsまでにしか達しませんし、最低音は4拍目でCまで下りてくる事がわかります。そうなると、ダイナミックは自然に1小節目よりも小さく処理します。  3小節目。1-2拍目と3小節目の違いは音形の入れ替わりにあります。1-2拍目は1-2小節目とほぼ変わりませんが、3-4拍目の音形が1-2小節目とは鏡で映したように、逆になっていますね。もう1つ別の考え方としては、3-4拍目の音形は、1-2拍目をさらに高い位置へ持ってきたと考えます。故にクレシェンドを4拍目に向かってかけても良いと思います。  4-5小節間で1拍ずつのシークエンスが始まります。この場合、徐々に下行していますので、ディミニュエンドで良いのではないかと思います。そして最終的にF-durに達します。  6-8小節間、1-3小節間と全く同じ事が起こります。しかしながら左手と右手が入れ替わります。  9-11小節間、1小節単位のシークエンスが始まります。下行していますが、ここでは和声に注目します。9小節目1-2拍目は長3和音、3拍目は減7和音、4拍目は属7、10小節目1-2拍目が短3和音、3-4拍目が属7和音、11小節目、1-2拍目短3和音、3拍目減7和音、4拍目属7和音、になります。  それぞれの小節は全くムードが異なりますので、それぞれのカラーを出してください。  12小節目、曲中では最も弱くなる部分の1つです。ここからシークエンスを経て13小節目の4拍目にたどり着きます。  その後、14小節目から16小節目3拍目まで、徐々にシークエンスを辿りながら下りてきますので、16小節目の3拍目をゴールとしてディミニュエンドをかけます。その際に注意が1つあります、各小節、各拍の表拍にあたる部分、丁度16分音符で書かれている表拍の部分にはくれぐれもアクセントを付けないようにしてください。この部分は前の拍の最後の音になります。  16小節目の3拍目は右手と左手が重なってしまいます。ペダルを使い4分音符の音が切れないようにします。しかし左手でもう一度同じ音を弾かなければなりませんので、この左手で弾いたDは余計に伸ばし、恰も右手の4分音符のDが伸びているように聴かせます。  さて、考えるべきは20小節目の全音符+フェルマータです。仮にフェルマータを1・5倍の長さしか伸ばさなかったとしても、この全音符をきちんと数え、フェルマータをプラスしてやるとかなり長い音符になる事が解ると思います。これは、勿論きちんと伸ばすべきなのでしょうが、このインベンションで唯一解せない部分です。皆さんはどのように考えられますか?

執筆者: 大井 和郎

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