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バッハ :2声のインベンション 第13番 BWV 784 イ短調
Bach, Johann Sebastian:Invention Nr.13 a-moll BWV 784
楽曲分析図 : 林川 崇 (224文字)
13小節の3拍目から左手に現れる対位句は、14小節の2拍目にかけて、動機a、bと共通のリズム・モチーフを形成している。19小説では、cのテーマが右手は完全な形で、左手は前2拍の動機を2度繰り返している。20、21小節の左手は動機の拡大形に、また、22小節目の右手1、2拍目も、厳密には動機aではないが、同じ小節で左手に出て来る、動機a'(aの変型)の反行型の一部の拡大になっている。
譜例提供:ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)
演奏のヒント : 大井 和郎 (923文字)
第13番 イ短調 15曲のインベンションの中では、技術的に最も難しいインベンションと思われます。学習者は緻密な練習が必要となりますし、演奏家や教師の方々はこのインベンションを良いエチュード代わりにすることができると思います。このインベンションは指番号が重要かもしれません。これによって難易度が変わってくるかもしれません。曲は強く、速く、激しい曲です。8分音符はスタッカートにして、ある程度速いテンポでなければなりません。 そしてシークエンスの嵐のように、ほぼこの曲はシークエンスで作られていると言っても過言ではないほどシークエンスが続きます。学習者はまず緻密な分析を行ってみましょう。そこから曲を見てみましょう。(注)次に挙げる分析と奏法はあくまで1つの例に過ぎません。 1-2小節間、右手に主題が来ます。 3-4小節間、1小節単位のシークエンスです。3小節目よりも4小節目の音量を少し落とします。 5-6小節間、2拍単位のシークエンスになります。下行していますのでディミヌエンドにします。 そしてC-durに転調します。C-durはa-mollと比べて柔らかい調であると仮定し、音量を控えます。 7-8小節間、1-2小節間と同じように、主題が右手に登場しますが、C-durで登場します。 9-10小節間、1小節単位のシークエンスです。10小節目の音量は9小節目よりも落とします。 11-13小節間、2拍単位のシークエンスです。下行していますが、待ち受けているのはe-mollで、14小節目は減7の和音ですので、逆にクレシェンドをかけて14小節目に達します。 14-17小節間、1小節単位のシークエンスです。原調が18小節目に待っていますので、14小節目をフォルテシモにしたら、少しずつ音量を下げて18小節目に達します。 18小節目 1小節間、主題が変化した形で登場します。 19-21小節間、1小節単位のシークエンスです。下行していますが、ここをクレシェンドにするかディミヌエンドにするかは意見の分かれるところであると思います。筆者であればクレシェンドをかけます。 22-25小節間、主題が変化して16分音符のみで終わります。 ご参考まで。
2声のインベンション 第13番 イ短調
2声のインベンション 第13番 イ短調 BWV784
2声のインベンション 第13番 イ短調 BWV784(ギーゼキング)
2声のインベンション 第2、6番
インヴェンション 第13番 イ短調