作品概要
解説 (3)
解説 : 髙松 佑介
(231 文字)
更新日:2020年9月18日
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解説 : 髙松 佑介 (231 文字)
ヘ長調、3/4拍子。
ファンファーレのような上行形の分散和音で幕を開ける、躍動的な曲。3つの主題提示部から成り、第1提示部と第3提示部は下声部が1小節遅れで上声部を追うカノンとなっている。
第2提示部(第12小節~)は、下声部が提示するハ長調の主題を上声部が模倣することで幕を開けるがカノンが続くのではなく、ト短調を皮切りに、既出の動機を用いて転調を重ねる。
第3提示部(第26小節~)からは再びカノンとなるが、主題冒頭の再現は省略され、第4~12小節に対応している。
楽曲分析図 : 林川 崇
(68 文字)
更新日:2018年3月15日
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楽曲分析図 : 林川 崇 (68 文字)
第1~7小節目がカノンになっており、この部分の素材により作られている。
譜例提供:ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1235 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1235 文字)
第8番 ヘ長調 いつ頃でしたか、バッハのインベンションを学習していく順番があったような記憶があります。確か、1番、8番、4番、、、と続いたような記憶があります。誰がこれを決めたのかはわかりませんが、この8番は、筆者に言わせればインベンションの中ではかなり難しい曲に分類されます。それが何故最初から2番目に弾く曲として選ばれているのかよく分かりませんが、実際テクニック的にとても高度で、簡単に弾く事はできません。その結論に至った経緯をお話します。 まずF-durという調は、とても活発で強い調である事はバッハの他のF-durを見てもよく分かります。イタリアンコンチェルトなどが典型だと思います。インベンション8番の冒頭には当然のことながらテンポマーキングは書いていません。これをゆっくり弾く事もできますが、F-durの持つ調の特性を考えたとき、決して遅くなく、元気が良く、故に、8分音符は短くスタッカートとして切ってしまう事で元気が出ますね。 そうなると、この曲に書かれてある8分音符は全て、スタッカートで短く切ってしまいます。実際そのように弾かれているのが一般的ですね。そうなると当然、16分音符はとても速いパッセージになり、色々技術的に難しい箇所が出てきます。どんなに工夫をしても、左手単独で、しかも3,4,5の指を使ってパッセージを弾く事は避ける事ができません。19-20小節間の左手1拍目が典型です。 このインベンションはその調の性格が故、テンポは速くなり、結果、16分音符も相当なスピードになります。指導者の方々はこの8番を一番最後に持って行ってもよいと思います。それほど難しい曲になります。例えば11小節目の1拍目はどうしても4345という指番号になります。何故なら2拍目にGFEFは1232で取らなければならなく、そのためには前の拍がどうしても4345でなければなりません。 学習者はまず、指の形が正しくなければこの8番のインベンションは相当困難になります。指の形を正し、その上で練習を始めてください。最もシンプルな練習方法としては、11小節目、1拍目の左手の指番号を潔く4345に決め、この1拍目だけを何度も繰り返し、ループを作ります。そうこうしているうちに、左手の345の指が辛くなったり、筋肉が増えてくるのを実感できたり、極端な過労が指に感じられたりします。そうなる事は「成功している」という意味でもあります。普段、なかなか、345をこのテンポで弾く機会はそうそうありません。良いチャンスだと思って鍛えてみてください。 その他、ピシュナー的な技法を用いたり、3度を使ったり、あらゆる手段を考えてこれらの困難なパッセージを克服します。かなりの指の訓練にもなります。大人の方や指導者の方はこの曲をかなり昔にお弾きになったと思いますが、今一度チャレンジしてみてください。なかなか手強い事が実感できると思いますし、何しろ良い練習曲となると思います。
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