作品概要
解説 (3)
解説 : 髙松 佑介
(339 文字)
更新日:2020年9月18日
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解説 : 髙松 佑介 (339 文字)
ホ長調、3/8拍子。
この曲に特徴的な「インヴェンツィオ(着想)」は、両声部のシンコペーションだろう。冒頭では、下声部が全音階を上行するのに対し、上声部は半拍ずれて半音階を下行する。さらに、この4小節の主題は両声部を交換して反復される(このように複数の声部を交換する対位法の手法を転回対位法という)。
また、《インヴェンション》のうちで唯一、曲中の反復記号を伴う点も注目すべきである。この反復記号で区切られた前半部(A)ではホ長調から属調のロ長調へと進行し、後半部は展開的な中間部(B)と主調のまま曲を閉じるAから成っている(||:A:||:BA:||)。この図式(Aの回帰を伴う2部分形式)は、19世紀前半に「ソナタ形式」として理論化されることとなる器楽形式への接近を示している。
楽曲分析図 : 林川 崇
(126 文字)
更新日:2018年1月31日
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楽曲分析図 : 林川 崇 (126 文字)
動機の種類を示すイタリック体には、2つのテーマと区別するためMを付けた。
ソナタ形式で書かれており、展開部では、冒頭のシンコペーションの動機と、第4小節のリズム・モチーフが用いられている。
譜例提供:ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1046 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1046 文字)
第6番 ホ長調 バッハのE-durは比較的おとなしい調であると言えます。シンフォニア、平均律、フランス組曲等のE-durを聴いたとき、心の強さはあまり感じられず、気品に満ち、どちらかというと華奢なムードがそこにあります。 アーティキュレーション:4小節目のように、16分と32分が組み合わさったパターンは曲中何回も出てきます。この小節のアーティキュレーションはまず16分をスタッカート、32分2つをレガートで繋ぎ、次の16分をスタッカート。32分2つをレガートで次の16分をスタッカート、最後2つの32分をレガートで次の小節に繋ぎます。 これ以外のリズムパターンは全てレガートで処理して良いと思います(勿論、例外はいくらでも考えられますので最終的には奏者に委ねられます)。 10小節目最後の左手の音であるCisは、次の小節で14度も低いDisに下りてこなければなりません。つまり、左手の8分音符3つの形はこの場合、9小節目から始まり、15小節目まで続きます。これらをレガートで弾いても、10小節目から11小節目、12小節目から13小節目は、跳躍が広くてどうしても切れてしまいます。そのまま、切れたら切れたで構わないかもしれませんが、一瞬のペダルで繋ぐことも可能です。オプションとしてお考え下さい。 2声のバランス:1小節目から既に、右手と左手の音は交互に現れます。このようなパターンの場合、両声部を同じ音量にするとかなり硬く聞こえてしまいます。どちらかの声部をppなどでソフトに演奏することで、両声部のポリフォニーの秩序を守ることができます。 ダイナミック:曲のキャラクターから判断して、そこまで大きな音を出す曲ではありません。中間部以降が音量的には大きくなりますが、筆者独自の考え方で言わせて頂ければ、39小節目、ナポリの6を使っている箇所が最もテンションの高まる部分だと思います。あるいは、58小節目を大きくしても良いと思います。 シークエンス: 9-10小節間、11-12小節間など当たり障りの無いシークエンスの他に、例えば、33-34小節間と35-36小節間、37-38小節間の3つのシークエンスは、1つ1つ和音の性格が異なります。そしてたどり着く38小節目はナポリの6になりますので、テンションの高い部分と見なして良いと思います。29-32小節間はシークエンスと呼べるかどうかはわかりませんが、1小節毎の性格はやはり異なりますので、それぞれの表情を与えて上げて下さい。
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