ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第1集 ミンストレル
Debussy, Claude Achille:Préludes 1 "Minstrels"
解説 : 白石 悠里子 (365文字)
標題は、ドビュッシーが1905年夏にイギリス南部のイーストボーンへ赴いた際に見たミンストレル・ショーに由来する。ミンストレル・ショーとは、歌や踊り、寸劇を演じる黒人に扮した白人による大衆演芸のことであり、19世紀中頃から終わり頃に流行した。ぎこちないリズムの冒頭に続いて(第1-8小節)、推進力のあるエピソードが現れる(第9-18小節)。このエピソードのうち第11-12小節の2小節の旋律は(譜例)は、2拍子の素早いエピソード(第28-31小節)、あざけるような低音域のエピソード(第35-44小節)、歌謡的なエピソード(第63-74小節)の間をつなぐ重要なモチーフとなる。第78小節からは冒頭のリズム・モチーフが、そして第87小節から最後にかけて2小節モチーフが回帰して曲は閉じられる。
【譜例:2小節モチーフ、第11-12小節】
ハルトマン:ミンストレル (原曲:ドビュッシー)
プレリュード(前奏曲)集 第1集 12. ミンストレル