ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第1集 とだえたセレナード
Debussy, Claude Achille:Préludes 1 "La sérénade interrompue"
解説 : 白石 悠里子 (365文字)
標題の由来は正確には判っていない。しかし、ギターの調弦を指す楽想をもつ冒頭のモチーフ(譜例1)、そして曲中で引用される、アルベニスの〈エル・アルバイシン〉(組曲《イベリア》(1905-1908)第3巻第1曲)(第19-24、41-45、85-86、90小節)(譜例2)や、ドビュッシーが自身の楽曲(オーケストラのための《映像》の第2曲〈イベリア〉(1905-1908)から第3部〈祭りの日の朝〉)(第80-84、87-89小節)(譜例3)は、楽曲とスペインを強く関連づける素材となる。哀願するようなセレナードは、これらのモチーフによってたびたび中断され、最後は完全に遮断されてしまう。
【譜例1:冒頭】
【譜例2:アルベニス〈エル・アルバイシン〉からの引用、第19-24小節】
【譜例3:〈祭りの日の朝〉からの引用、第80-84小節】
プレリュード(前奏曲)集 第1集 9. とだえたセレナード