ショスタコーヴィチ : 子供のノート(7つのピアノの小品) ワルツ Op.69-2
Shostakovich, Dmitry Dmitrievich : A Child's Exercise Book "Valse" Op.69-2
作品概要
解説 (2)
解説 : 池田 愛美
(86 文字)
更新日:2022年2月28日
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解説 : 池田 愛美 (86 文字)
4分の3拍子、イ短調。A-B-Aの3部形式。順次進行によって、素朴にしっとりと仕上げられたワルツ。2回目のA部分では跳躍進行や非和声音が多用され、音色に変化がもたらされる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(776 文字)
更新日:2022年5月20日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (776 文字)
このワルツのフレーズの分析はいくつかあると思いますが、筆者の分析は2小節目から始まり、9小節目までが1つのフレーズとします(1ー8小節間が一つのフレーズという方もいらっしゃると思います。それはそれで構いません)。ワルツは勿論3拍子ですが、このワルツを演奏する際に思い出して欲しいのは、ショパンのスケルッツオです。3拍子なのですが、1小節を1拍と考え、4拍子で数えるようにします。この曲で言うと、2小節目から5小節目までを、1-2-3-4と数え、6ー9小節間も、1-2-3-4と数えます。以下同様に、4小節単位で数える事とします。
そのような分析で、2ー17小節間(16小節)を考えたとき、16小節間を4つの4拍子のフレーズと考える事が出来、全体を見てみると、2小節目から、音形は上行形を辿り、徐々に上がっていき、10小節目、フレーズの音はこれまでで最高音のAに達する事がわかります。この10小節目のAから先を見ますと、今度は徐々に下行していて、17小節目で1オクターブしたのAに達する事がわかりますね。
これを強弱でコントロールします。冒頭はpで始まり、2ー5小節間よりも6-9小節間を大きくし、10小節目でフォルテ、そこから17小節目まで徐々にディミヌエンドします。
18小節目から再び旋律が始まり、今度は先ほどよりも半音高い、Bに23小節目で達しますが、ここはB-durに転調していますので、曲の雰囲気的には決して強い場所では無く、Bをあまり大きくしすぎないように注意しましょう。
この曲は左手の伴奏がアルペジオである場合が殆どですので、左は伴奏形としてバランスを保ち、右手がクレシェンドする際に少しサポートする位に考えておいて良いのですが、28ー31小節間だけメロディーとなります。ここはメロディックに歌いましょう。
最後は少しゆっくり目に終わりましょう。
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