フォーレ :即興曲 第3番 変イ長調 Op.34
Faure, Gabriel:Impromptu No.3 As-Dur Op.34
執筆者 : 齊藤 紀子 (228文字)
1883年に作曲され、同年にアメル社から出版された。この年は、フォーレが彫刻家の娘、マリー・フルミエと結婚した年でもあり、初期の数多くのピアノ作品が作曲されている。
アレグロの変イ長調によるこの即興曲は、コーダを伴う3部形式で書かれている。主要主題は、一様なリズムで繰り返される左手の伴奏に乗せられた、素朴なメロディーとなっている。中間部では、モルト・メーノ・モッソとなり、黙想的な雰囲気を醸し出すが、その展開のなされ方には秘められたエネルギーが感じられる。