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モンポウ :パストラル(歌とピアノによる)

Mompou, Federico:Pastral

作品概要

楽器編成:歌とピアノ 
ジャンル:★ 種々の作品 ★

解説 (1)

執筆者 : 小阪 亜矢子 (849文字)

更新日:2018年3月12日
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「パストラル」とは、田園詩、牧歌劇などと訳され、古き善き羊飼いの平和な恋愛模様を指す。しかしモンポウの音楽は単なる感じの良い風景画の範疇にとどまらず、緊張と弛緩が交互に訪れる抒情詩を繰り広げている。4行×2節で書かれた短いスペイン語の詩につけられた歌は、旋律そのものだけ見ればいたってシンプルだが、和声的にはさまざまなドラマがある。ピアノは前奏1小節を含む冒頭の8小節間、ギターのストロークを思わせるアルペジオをセレナーデのように奏でる。ここで、主調である嬰ヘ短調の主和音を構成するFis音、Cis音は絶えず鳴っているが、和音の長短を決める第三音にあたるA音が省かれ、その代わりに四度にあたるH音と六度にあたるD音がたびたび奏でられる。その結果、短二度、長二度が多発し、緊張感と、長短の決着がつかない逡巡が醸し出される。この状態は6小節間続き、7小節目の頭でti(あなた)という単語に合わせて、ピアノの左手のベース音及び歌がA音をはっきりと主張する。いわば「風景描写から本題に入ったところ」だ。第1節が歌われた後、同じ旋律がピアノによって、相変わらずギター風のスタイルで、しかし今度は下降する分散和音の伴奏がつけられて、静かに語られる。長い間奏の後、音楽はいったん終止したように、嬰ヘ短調の主和音がストロークされるが、これが後半の前奏の役割を果たす。第2節は歌の唐突な高音で始まる。曲中で最も解放される箇所だ。その後、「La luz de los montes(山の光)」「La brisa del mar(海の風)」「El olor de los flores(花の香り)」と、歌詞の内容に合わせて、歌手の音域は段階的に低くなっていく。この後にも第1節と同じ旋律がピアノで演奏されるが、右手のオクターヴが足されて、より抒情的な音楽になる。モンポウ歌曲らしく、フレーズごとにrit.とa tempoが繰り返されるが、「道(caminos)」「行く(ir)」といった言葉に合わせた前進が必要とされる。

執筆者: 小阪 亜矢子

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