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ドビュッシー :牧神の午後への前奏曲 ホ長調

Debussy, Claude Achille:Prélude à l'Après-midi d'un faune E-Dur

作品概要

楽曲ID:18334
作曲年:1894年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:トランスクリプション
総演奏時間:9分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: ドビュッシー牧神の午後への前奏曲(2台ピアノ版) ホ長調

解説 (1)

解説 : 白石 悠里子 (591文字)

更新日:2019年3月4日
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 《『牧神の午後』への前奏曲》について、ドビュッシーは中期の傑作(1894年初演)管弦楽版と並行して2台ピアノ版も書いており、いずれも1895年に出版されている。しかし、管弦楽版と比較して、2台ピアノ版は緻密な修正も行われず、また表現も簡略化されていない。このことから、ドビュッシー自身は2台ピアノ版をそれほど重要視していなかったと考えられている。

 他方で、管弦楽版の《牧神》は作曲家の存命中から他の音楽家たちの関心を引きつけ、ピアノ用に編曲されてきた。例えば、ラヴェルは1910年にピアノ1台4手連弾版を発表している。作曲者本人の2台ピアノ版と比べて、ラヴェルの編曲は管弦楽版の表現に近づけられている。特に、管弦楽版の冒頭のハープによるグリッサンド(第4、第7小節)と第85小節の木管による下降旋律は、ドビュッシーのピアノ版では省かれたが、ラヴェルの4手連弾版では採用されている。1914年にはイギリス人ピアニスト、L. ボーウィック(1868-1925)がピアノ独奏版を出版した。彼もまた管弦楽版の表現にしたがった編曲を行なっている。これら2つの編曲は、現在でもピアニストのレパートリーになっている一方、原曲の新たなピアノ編曲を生み出す素地を作り出してもいる。したがって、《牧神》のピアノ版については他者の手による編曲によって原曲の効果への忠実性が高められていると言えるだろう。

執筆者: 白石 悠里子

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