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シュナーベル :ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

Schnabel, Artur:Sonate für Violine und Klavier

作品概要

楽曲ID:17013
作曲年:1935年 
出版年:1961年 
初出版社:Boosey & Hawkes
楽器編成:室内楽 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:23分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 畑野 小百合 (769文字)

更新日:2010年9月1日
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1935年の6月から9月にかけてトレメッツォで作曲され、1945年5月6日にニューヨークで、アレクサンダー・シュナイダーとブルーノ・アイスナーによって初演された。このソナタは、シュナーベルの作品中もっとも演奏される機会の多い作品のひとつである。全体は4楽章から成り、これらの楽章は相互に動機的な連関をもっている。どの楽章も細部まで緻密に構成されており、それぞれの声部の複雑なリズムの連続が絡み合うことで独自の緊張感を湛えている。

第1楽章は、伝統的なソナタ形式を踏まえた構造をもつ。ヴィオラを思わせるような比較的低いヴァイオリンの音域の使用と、執拗なリズムの反復によるクライマックスが印象的である。スケルツォ的な性格をもつ第2楽章は、ヴァイオリン・パートが2分の1拍子で、ピアノ・パートが8分の5拍子で記譜されている。さらにピアノ・パートの多くの部分は両手で5対6のリズムを演奏することになるため、急速なテンポの中で非常に難解なリズムのコンビネーションが現出することになる。第3楽章では、落ち着いた歩みの中から徐々に微細な動きが生じ、大きな頂点を形作った後に再度静謐な雰囲気へと戻っていく一連の流れが、後期ロマン派を思わせる叙情的な旋律とともに描き出される。第4楽章は再び複雑なリズムが交差する急速な楽章である。浮遊するような感覚を作り出すためのトリックのひとつとして予期を裏切るような変則的な楽節構造が採用されているが、演奏の便宜のためにそのような箇所にはローマ数字が書きこまれており、その方法は、シュナーベルが校訂したベートーヴェンの実用版楽譜とも共通している。極端なリズム分割によって形成されるクライマックスに続く終結部は、一転して落ち着き、オスティナート・リズムを思わせるバス声部が途切れ途切れに独白をこぼしながら徐々に消えていく。

執筆者: 畑野 小百合

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