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ドビュッシー :牧神の午後への前奏曲(Leonard Borwickによるピアノ独奏版)

Debussy, Claude Achille:Prelude a l'Apres-midi d'un faune (transcripted by Leonard Borwick)

作品概要

作曲年:1914年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:10分30秒

解説 (1)

解説 : 白石 悠里子 (724文字)

更新日:2019年3月4日
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ドビュッシー 《牧神の午後への前奏曲》ピアノ独奏版
レナード・ボーウィック編

ドビュッシーは2台ピアノのための《牧神》を1895年に出版したが、管弦楽版ほど完成度は高められていなかった。しかし、1910年にラヴェルはいっそう管弦楽版に近い表現を盛り込んだピアノ4手連弾版を出版し、1914年にはイギリス出身のレナード・ボーヴィックLeonard Borwick (1868-1925)によって独奏ピアノ用の編曲版が出版された。ボーウィックはフランクフルトのホッホ音楽院でクララ・シューマンに師事し、ロベルト・シューマンやショパンの弾き手として知られていたが、後年はドビュッシーやラヴェル作品の編曲を積極的に行った。独奏ピアノのための《牧神》はその代表作の一つであり、ラヴェルの編曲同様に管弦楽版に沿った編曲がなされている。

楽曲は6つの部分から構成される。ホ長調で始まる第1部(第1-第30小節)では、増4度音型による第一主題が提示される一方、ドビュッシーの2台ピアノ編曲では省かれたグリッサンド(第4、第7小節)が取り入れられ、演奏効果を引き上げる工夫がされている。第2部(第31-第54小節)では6小節の経過区を経て第二主題が右手で提示され、続く第3部(第55-第78小節)では雄大な第三主題が登場し、楽曲全体のクライマックスが築かれる。第4部(第79-第93小節)は、第一主題に基づく主旋律とドビュッシーのピアノ版では省略された躍動的な下降旋律が交代によって形成され、主題の回帰を予告する。第5部(第94-第105小節)は、第一主題の再現で始まるものの展開することなく、まどろむ牧神を描写する静かなコーダ(第106-第110小節)に引き継がれる。

執筆者: 白石 悠里子

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