1901年に作曲された以下の4曲からなる。初期の作品らしい、美しい旋律性が魅力な絵画的作品。
1.嬰へ短調/:冒頭から高音で奏される旋律は、澄みきった音色で、繊細な美しさをたたえている。繰り返される音形によって高められた音楽は、ふたたび穏やかさをとりもどし、最後は大気の中に消えていくように曲を閉じる。演奏所要時間は約1分半。
2.嬰ニ長調 パストラール/No.2:パストラール(牧歌)の副題をもち、穏やかな春を想わせる曲。音程の広い和音が豊かな音色の響きをつくりあげている。演奏所要時間は約1分。
3.ロ長調/No.3:付点のリズムを含んだ音型が基調となり音楽を支えている。その上を穏やかな旋律が歌われていくが、フレーズの合間に溜息のように挿入される高音部の音色が美しく印象的である。演奏所要時間は約2分10秒。
4.イ短調(リディア調)/No.4:ハープをイメージしたような左手のアルペッジョの伴奏の上を、民俗的な旋律が単音で歌われていく。静的な曲。演奏所要時間は約1分20秒。