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セヴラック :組曲「ラングドックにて」

Séverac, Déodat de:Suite "En Languedoc"

作品概要

楽曲ID:1229
作曲年:1903年 
出版年:1905年 
初出版社:Édition mutuelle
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:33分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (1423文字)

更新日:2010年1月1日
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1903年から1904年にかけて作曲された。《大地の歌(1900)》や、《セルダーニャ(1901~1911)》と並び、セヴラックの重要な作品のひとつ。ラングドック地方とは、ローヌ川とガロンヌ川の間にあるセヴラックの故郷である。自然や情景の絵画的な描写が特徴で、曲中には、それについての詳細な注釈が付されている。1900年に作曲された《大地の歌》よりも洗練された書法、多彩な表現をみせている。とりわけ第3曲、4曲は傑作で、その成功によりセヴラックの名声はさらに高まることになった。以下の5曲から成る組曲で、全曲通しての演奏所要時間は35分程度。

1.祭の農家をめざして / No.1 "Vers les mas en fete":一日のはじまり。音の数を増やしながら、山間からの急流が勢いを速めていく。中間部は「泉での休息」。漂うように揺れる3連音符に左手が推進力を与えている。「祭りの日の畑屋敷」は、4分の4拍子。活気に満ちた祭の主題の合間にも、夕暮れの空気が漂いはじめている。最後は「夕べに響く鐘の音」が静かに響きわたり、人々を安らかな眠りへと誘う。

2.夕べの池のほとり / No.2 "Sur l'etang, le soir":夜の沼を描いている。8分の6拍子で、終始穏やかな調子を崩さない。はっきりしない旋律が漂うように奏されるが、2拍子系のリズムによって与えられるスウィング感を、体の奥では常に感じていることが大切である。この振幅に自由な変化をもたせていくことで曲に陰影を与えることができるだろう。

3.馬に乗って平原を / No.3 "A cheval dans la prairie":牧場における乗馬をいきいきと描いている。「出発」「泉での休息」「帰路」の3部で構成されている。出発では、次第に興奮を高めながら疾走してゆく馬の様子が描かれている。それは譜面上、視覚的にもとらえられるし、また、演奏の体感としてもそれを感じることができ、楽しめる曲である。中間部では、ダイナミックの変化が激しいので注意。また、持続音や、主要な音の推移によって徐々に緊張、興奮が高められていくが、再び「帰路」の“馬の疾走”に至るまでの、その過程は実に見事だ。

4.春の墓地のひと隅 / No.4 "Coin de cimetiere au printemps":春の墓地が舞台となっている。この曲が着想されたのは1897年であり、この年、セヴラックは、父と、妹のマルトを失った。悲しみは、執拗に繰り返される音や音型によってより深められている。コルトーはこの曲について次のように述べた。「かつて、フランス音楽でこれほどに深く感動的な頁が書かれたことはなかった」、「旋律がこんなにも悲痛に思われるのは、それが人間の苦悩と、絶えず再生する自然の無頓着な清澄さを同時に表現するからこそである」。

5.農家の市の日 / No.5 "Le jour de la foire au mas":挿入的にいれられた変拍子の楽想、ダイナミックのめまぐるしい変化などが、活気に満ちた市の日の描写をより彩り鮮やかなものにしている。「家畜が首につける鈴の音のざわめき」、「ニワトリの鳴き声」の注釈も印象的だ。後半ではアンジェラスの鐘の音が、市のにぎわいを遮るように遠くからきこえてくる。そして最後は自然に溶けていくような美しい響きの中で、静かに曲を閉じる。

(和田真由子 2007/11)

執筆者: 和田 真由子

楽章等 (5)

祭の農家をめざして

総演奏時間:8分00秒 

解説0

楽譜0

編曲0

夕べの池のほとり

総演奏時間:7分30秒 

動画0

解説0

楽譜0

編曲0

馬に乗って平原を

総演奏時間:4分00秒 

動画0

解説0

楽譜0

編曲0

春の墓地の片隅

総演奏時間:8分00秒 

解説0

楽譜0

編曲0

農家の市の日

総演奏時間:6分00秒 

解説0

楽譜0

編曲0

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