ベートーヴェン :創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80
Beethoven, Ludwig van:32 Variationen über ein eigenes Thema c-moll WoO.80
執筆者 : 稲田 小絵子 (240文字)
円熟期にあったベートーヴェンの変奏曲。作品番号はないが、現在でもしばしば演奏される注目すべき作品である。
変奏は2つずつ組みになり、変奏音型を左右の手で入れ替える。主題の旋律とバスが主に変奏される要素である。バスの下行4度を骨格音としている点でバロック的手法とみなされることもあるが、旋律とバスの2主題としているところが、ベートーヴェン独自の手法であろう。
細分化される旋律によって、やや練習曲のような一面も見せる作品だが、ベートーヴェンのハ短調らしい荘厳な響きが非常に魅力的である。
創作主題による32の変奏曲 ハ短調
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