
解説:川上 昌裕 (764文字)
更新日:2007年6月1日
解説:川上 昌裕 (764文字)
1937年ウクライナのゴルロフカに生まれる。小さい頃からピアノ・作曲に興味を持ち始め、14才の時にモスクワに出て本格的なピアノの修業を開始する。音楽高等学校にてA.ルッバーフに、続いてモスクワ音楽院ピアノ科でA.ゴリデンヴェイゼルのクラスに5年間在籍。その間、ラジオ放送ヴォイス・オブ・アメリカを聴き、アメリカ音楽との衝撃的な出会いを経験する。さらにLPレコードを聴きながら次第にジャズに目覚め、やがてこの音楽が自分の創作活動に必要なものだと悟る。1961年モスクワ音楽院卒業と同時にオレグ・ルンドストレーム率いるオーケストラのメンバーとして、作曲をしながら1972年まで演奏活動。1972年~77年は軽音楽オーケストラ、1977年~84年までは映画音楽オーケストラとともに活動した後、公の演奏活動を退いて作曲に専念。オーケストラもしくはビッグバンドとピアノを中心とした初期の作品、ピアノ協奏曲6曲、あらゆる楽器編成の室内楽、ほかに多数のピアノ曲がある。代表的なピアノ作品は、ピアノソナタ16曲、「24の前奏曲とフーガ」など。現在、作品数は131を数える(2007年5月時点)。自作自演の録音も未公開のものを含めて数多い。作品の書法は、作曲年代によって若干違いがあるが、近現代の作曲家、特にラヴェル、バルトーク、プロコフィエフらの音楽語法に強い影響を受けつつ、さらに初期ジャズからビッグバンド、ビバップ、ラテン、ロックなどに至る語法やリズムを用い、さまざまな現代音楽の感性を取り込んで独自の書法に到達した。ジャズのエッセンスとバッハ以降のクラシック音楽の歴史を内包したピアニズムという点では、他に類例を見ない成功をおさめている。作品は世界中の演奏家に取り上げられるようになり、楽譜はおもに日本とイギリスで相次いで出版されている。
作品(88)
ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) (3)
協奏曲 (9)
管弦楽付き作品 (10)
ピアノ独奏曲 (20)
ソナタ (13)
曲集・小品集 (4)
練習曲 (4)
リダクション/アレンジメント (3)
種々の作品 (13)
ピアノ合奏曲 (5)
リダクション/アレンジメント (3)
室内楽 (3)
種々の作品 (4)