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カプースチン :ソナチネ Op.100

Kapustin, Nikolai:Sonatina Op.100

作品概要

作曲年:2000年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナチネ

解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (611文字)

更新日:2020年5月2日
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2000年、カプースチンは音楽学校に通う若年層のためにという依頼を受け、小規模で軽妙な単一楽章の「易しい」ソナチネを完成させた。このような経緯ゆえ、この作品には、カプースチンのピアノ作品にしばしば見られる壮麗さや超絶技巧はみられない。しかしその中には、彼が積み上げてきた自己独自の世界と、脈々と受け継がれてきた西洋伝統音楽の構成美がしっかりと共存している。

楽曲の旋律、和声、リズムといった響きの面に、カプースチンの象徴とも言えるジャズやポピュラー音楽の要素が盛り込まれていることは一聴して明らかである。スウィングのリズムをもつ洒脱な冒頭動機、スラーによって表現されているシンコペーション、提示部の推移部にみられるウォーキングベース、同じく推移部の末尾などにみられるブルーノート、第二主題の三連符を交えた旋律などがそのような例として挙げられる。

一方で、より楽曲を広く捉えると、西洋芸術音楽に脈々と受け継がれてきた古典的な構造に基づいてそれが構築されていることがわかる。まずは溌剌としてメリハリの効いたト長調による第一主題と、中高音を中心とした軽快なニ長調の第二主題が対比され、それに続いて諸々の素材が様々な調で発展させられ、その後第二主題が再現される。このような構造は、典型的なソナタ形式楽曲のそれである。なお、再現部の第一主題は省略されているが、これもモーツァルトハイドンに採用されたことのある、至極一般的な構造である。

執筆者: 山本 明尚
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