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ボクサ :ポプリ・アン・デュオ

Bochsa, Nicolas-Charles:Pot-pourri en Duo

作品概要

楽曲ID:90737
出版年:1810年 
初出版社:V. Dufaut
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:16分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (684文字)

更新日:2024年8月29日
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これは、1810年前後、ナポレオン治世下の騒擾の都パリの、音楽的縮図である。為政者ごのみの壮麗なオペラのシーンから、街角で歌われる小唄ざれ唄、自由を求める民衆の勇猛な行進曲までが、ボクサの鮮やかな手腕によりメドレーに仕立てられ、緩急自在な一幅のタペストリーへとつなぎ合わされていく。ボクサはすでに当代きってのコンポーザー=ハーピスト兼ピアニストとして名声を確立し、ナポレオンの覚えもめでたく、正妃ジョゼフィーヌ、続いて後妻に入ったマリー=ルイーズ皇后の双方に仕えるなど、権勢の中枢近くを活躍の場としていた。本作に取り上げられるメロディは「デモフォン」(ケルビーニ)、「バグダッドの太守」(ボワエルデュー)、「すてきな小川」(アンリ・ドムニク)、「セミラミス」(パイジェッロ)、「潜伏」(フランス行進曲)、「フィガロの結婚」(モーツァルト)、「シリアに向かって」(オルタンス・ド・ボアルネ)、「バグダッドの太守」(ボワエルデュー)、「デモフォン」(ケルビーニ)。このうち、華麗な変奏を伴う「シリアに向かって」は、ジョゼフィーヌ皇后の連れ子、オルタンス・ド・ボアルネが、継父ナポレオンのエジプト遠征(1798年)に寄せて作曲し、当時の誰もが口ずさんだ歌。ケルヴェルソー夫人とシャール夫人(Mesdames de Kerverssau et de Cillart)への献呈。ハープとピアノのための二重奏曲であるが、表紙に「2台のピアノでも演奏できる」(On peut exécuter ce Duo à deux Pianos.)と明記された正規のピアノデュオ作品でもある。

執筆者: 西原 昌樹
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