シューマン : ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 Op.11
Schumann, Robert : Grande sonate pour le pianoforte Nr. 1 fis-moll Op.11
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(590 文字)
更新日:2007年6月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (590 文字)
(諸説はあるが)1832、3年に着想され、1835年に完成。
四楽章構成。
シューマンは、3曲のソナタと、未完のソナタ(第4番)のソナタを残しているが、ソナタを書くこと自体、決して得意とはしていなかったようだ。
当時シューマン、このソナタに生命力が乏しいことを述べたあと、ソナタ形式にそのものに限界があり、今後、より自由で新しいものを創造すべきだ書き残している。
第一楽章:序奏付きソナタ楽章 嬰へ短調
1832年の作品「アレグロ・ファンダンゴ」を改作したもの。ファンタンゴとは、スペインのアンダルシア地方に伝わる舞曲リズムである。激しい感情を伴った第一主題の楽想が、楽章全体を支配する。シューマンの外交的な性格を象徴するような想像上の人物、フロレスタン的な要素が強い。
第二楽章:アリア イ長調
1827年の歌曲「アンナに寄せて(ケルナー詩)」に基づいてかかれたものである。
シューマンの内向的な一面を象徴するオイゼビス的な要素が強い楽章。情熱的ではないが、表情豊かに。
第三楽章:スケルツォと間奏曲 嬰へ短調
アレグリッシモのスケルツォ。トリオのかわりに、「ゆっくりと、ブルレスカ風に、けれど盛大に」と指定された間奏曲が挟まれている。
第四楽章:フィナーレ 嬰へ短調
繰り返されるフロレスタン的な主題に、オイゼビウス的なフレーズをもつ対位楽想も加えられ、情熱的なコーダでしめくくる。自由なロンド楽章。
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