モンポウ :歌と踊り 第9番
Mompou, Federico:Canciones y danzas
執筆者 : 和田 真由子 (285文字)
1948年に作曲された。標準演奏時間は約4分。変ホ長調。モンポウの友人のピアニスト、ゴンザロ・ソリアーノに捧げられた。
『歌』は、4分の2拍子。カンタービレ・エスプレッシーヴォ。〈夜鳴き鶯〉というカタルーニャの民謡を用いている。山里へ嫁にいった娘が、故郷に想いをはせる。哀愁ただよう旋律が優しく歌われる。ソプラノとテノールで旋律が交互に歌われ、また伴奏も多声的なので立体感のある響きをつくりあげるのがのが難しい。
『踊り』は4分の3拍子、アレグロ。歌の部分にはない活気と歯切れの良さがあるが、逆にスラーでつながれた合間の部分を丁寧に弾くことで曲の面白さがよりひきたつだろう。