この曲にはフレーズが5つあります。3つ目までのフレーズは繰り返したときも同じですが、4つ目が、第1括弧と第2括弧と2つあるので、合計5つと考えます。各フレーズは、第2括弧の最後のフレーズを除き、基本的にクレシェンド、ディミヌエンドで処理してください。フレーズの終わりの音(例えば2小節目の3拍目、左手の2分音符D)には、アクセントが付かないように注意します。
その上で、この形の似た4つのフレーズを考えてみましょう。1つ目のフレーズでは、この曲の最高音であるAに右手が達します。1つのフレーズは多少大きな音でも大丈夫です。それに対して、2つ目のフレーズは2度下がって少し大人しめですね。1つ目のフレーズとコントラストを付けてみましょう。
3つ目のフレーズは、更に2つ目のフレーズよりも音は下行しますが、3つ目のフレーズだけは2声で進む2つのラインを感じる事の出来るフレーズで(5小節目の3度の進行により)、メロディックなフレーズです。
4つ目は、更に下行します。学習者の皆様は、これらの4つのフレーズに対して、それぞれのムードやキャラクター、気持ち、何でも良いですので、違いを感じて、先生とお話しして、どのフレーズがより一層テンションが高いか、低いか、特別なムードになるか、等、決めて、そしてそれらの違いを表現して下さい。くれぐれも全て同じように弾かないようにして下さい。
曲全体は合唱団が歌っているように、3度進行しますが、若干左手の音量を抑えて右のメロディーを際立たせると綺麗に弾けます。