
解説:宮本 優美 (658文字)
更新日:2007年5月1日
解説:宮本 優美 (658文字)
フィンランドの作曲家。ファーストネームのジャンはフランス風で、彼のおじにあやかったものである。ヴァイオリンと作曲に早くから親しみ、10歳で最初の作品を書いた。14歳からヴァイオリンのレッスンを受けて上達し、ソリストを目指す。また、家族で室内楽を演奏するようになり、シベリウスは多数の室内楽曲を作曲する。
85年ヘルシンキ大学法学部に入学。しかし翌年、法学の勉強をやめ、作曲とヴァイオリンを学ぶ。この時期、ライネッケ、ハンス・リヒターらに影響を受ける。89年にサンクトペテルブルグに留学したが、師事予定のリムスキー=コルサコフにはつけず、ベルリンでアルベルト・ベッカーに対位法の授業を受けた。留学2年目にはウィーンで学ぶ。
91年フィンランドに帰国し、教職に就く。この頃から民謡にも関心を示す。99年に交響曲第1番が初演され、大成功を収める。同年、<フィンランディア>も発表され、交響曲第1番を上回る大成功となった。
1900年代には広くヨーロッパ大陸を旅行し、国際的名声を得る。しかし借金と飲酒癖により生活は荒れ、03年のヴァイオリン協奏曲はそうした時期に書かれた。07年には交響曲第3番でロマン派的民族主義から新古典主義に転身を果たす。
シベリウスは7曲の交響曲のほか、交響詩、劇音楽、ヴァイオリン曲、ピアノ曲、歌曲、室内楽曲等を書き国際的栄誉を手にしたが、1920年から25年の間に事実上活動を停止してしまった。彼の人気は作曲活動停止後も続き、90歳の誕生日には多くのコンサートや祝典が開かれた。1957年、91歳で没。
作品(38)
ピアノ独奏曲 (10)
曲集・小品集 (15)
性格小品 (8)
リダクション/アレンジメント (5)