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中田 喜直 :ピアノ・ソナタ

Nakada, Yoshinao:Piano Sonata

作品概要

作曲年:1949年 
出版年:1969年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ

解説 (1)

総説 : 長井 進之介 (770文字)

更新日:2018年3月12日
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童謡や歌曲など、優れた声楽のための作品を多く残した中田喜直(1923-2000)は、ピアノ独奏曲やピアノ連弾曲、2台ピアノのための作品など、多くのピアノのための作品も残している。  「ピアノ・ソナタ」は1949年に作曲され、第18回日本音楽コンクール作曲部門で第2位を受賞したが、作品に満足できなかった中田は、第2、3楽章を改訂し、1955年に自費出版した。しかしながら、出版後もまだ納得がいかず、再び第2楽章を改訂する。1969年に最終的な完成を迎えたが、それは初稿を書き上げてから実に20年後のことであった。  三楽章から成るこの作品は、第1、3楽章はロ短調、第2楽章はホ長調(序奏部はロ長調)と、一応の調性が与えられているものの、複調や無調の響きが積極的に取り入れられ、新たな響きを構築しようとした意図が見受けられる。  ソナタ形式の第1楽章は、アレグロ・ジョヴィアーレ(快速に、陽気に)という発想指示とは裏腹に、哀愁に満ちた行進曲風の第1主題と、3連符を基調とした軽快な第2主題から成る。展開部は二つの主題の要素を組み合わせたものを核としながら、流麗な走句や半音階進行が挿入され、劇的な雰囲気を作り出している。  第2楽章はアジタートの序奏、アダージョ・カンタービレ、そしてアレグロの3つの部分から成る変化に富んだ楽章。第1楽章の旋律を展開させた旋律が断片的に配置され、途切れがちに歌を紡いでいく。  アレグロ・ノン・トロッポの第3楽章は自由なソナタ形式。全楽章の中で最も調性感が希薄である。全体を三連符が支配し、トッカータを思わせる技巧的な部分と、オクターヴで力強いリズムを刻む部分とが交錯しながら展開していく。あらゆる音型が錯綜する中にも第1楽章の行進曲の要素や旋律が浮かび上がり、循環形式を意識した統一感を見出すことができる。

執筆者: 長井 進之介

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