close
ホーム > シューマン > 序奏とアレグロ・アパッショナート(ピアノとオーケストラのための) ト長調

シューマン : 序奏とアレグロ・アパッショナート(ピアノとオーケストラのための) ト長調 Op.92

Schumann, Robert : Introduktion und Allegro appassionato. Konzertst_ück für Klavier und Orchester G-Dur Op.92

作品概要

楽曲ID:57
作曲年:1849年 
出版年:1852年
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) 
ジャンル:管弦楽付き作品
総演奏時間:15分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (220 文字)

更新日:2010年1月1日
[開く]

ピアノ小協奏曲とも呼ばれるこの曲は、シューマンのイ短調のピアノ協奏曲の影にかくれてあまり演奏される機会に恵まれないが、優雅で穏やかな情景と情熱的で多彩な楽想がコンパクトにまとめられた魅惑的な小品である。1849年にドレスデンで作曲された。

序奏は4分の4拍子のレント。のどかでゆるやかな音楽で、殆どがアルペジオのパッセージで書かれている。アレグロ部は2分の2拍子に転じ、ホ短調の力強い主題に始まり、様々に転調し、曲想はどんどん変化を繰り返す。

総説 : 上山 典子 (1148 文字)

更新日:2018年3月12日
[開く]

シューマンの協奏曲ジャンルは、なぜか4年周期でやってくる。ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54の大成功から4年後の1849年、シューマンは再び協奏曲のジャンルに取り組んでいた。2月には珍しい楽器編成から成る《4本のホルンのための小協奏曲》(コンツェルト・シュテュック)Op.86を書き上げると、同年の秋、今度はピアノ独奏と管弦楽のための小協奏曲、《序奏とアレグロ・アパッショナート》ト長調に取りかかった。それは9月18日~20日にスケッチが行われ、21日~26日という短期間で作曲された。(このOp.92から4年後、シューマンは再びこのジャンル、《序奏と協奏的アレグロ》Op.134を完成させることになる。)

初演は1850年2月14日にライプツィヒのゲヴァントハウスにて、妻のクララ・シューマン(1819-1896)によるピアノ独奏、ユーリウス・リーツ(1812-1877)の指揮で行われた。聴衆の反応は芳しくなく、また同地の音楽雑誌評も、クララの演奏は評価したものの、作品そのものに対しては概して批判的だった(リーツは1848年に、フェーリクス・メンデルスゾーン(1809-1847)の死を受けて、ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者とライプツィヒ音楽院作曲科の教員に就任した人物で、Op.92初演の2週間足らず前にはチェリストとして、シューマンのピアノ三重奏曲 第2番 Op.80の初演を成功させている)。1851年3月13日にデュッセルドルフで行われた再演では、シューマン自身が指揮を振り、初演に比べるとはるかに良い反応を得た。

初版は1852年2月、ライプツィヒのブライトコプフ ウント ヘルテル社からピアノ譜とオーケストラのパート譜が、そしてそれから20年近くたった1873年の12月に総譜が出された。

編成は次の通り――独奏ピアノ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部。

【序奏】ゆっくりと、ト長調、4/4拍子。チェロの属音ペダルとピアノの分散和音に乗せて、クラリネット・ソロの旋律が抒情的に歌い始める。ほかの楽器も次々と加わっていき、豊かな音色の詩的世界を創り上げていく。終結部はピアノが付点リズム音型から成るフレーズを奏で、意味深長なイ短調の和音で閉じる。

【主部】アレグロ、2/2拍子、ソナタ形式による。3連符のアウフタクトに合図される提示部の付点主題はホ短調で、オーケストラ・トゥッティと独奏ピアノが交互に対話する。独特な旋律の第2主題はやはりホ短調で、まずは独奏ピアノの左手低音部に、次いで右手に顔を出す。そしてさらに第3の主題が、独奏ピアノのハ長調の分散和音とともに現れる。その後は2つの部から成る展開部、再現部と続いてゆく。

執筆者: 上山 典子

楽章等 (1)

序奏:ラングザーム-アレグロ

総演奏時間:15分30秒 

動画0

解説0

楽譜0

編曲0

現在視聴できる動画はありません。  

参考動画&オーディション入選(1件)

林川崇さんのお勧め, エルトマン