作曲年月日 1937年3月7日
初版は、「聖福ー守屋哲之介君の結婚の祝ぎてー」と書かれており、守屋東によって刊行された私家版である。オルガンのための前奏曲で、他に「前奏曲 禱り」(1928年)、「前奏曲 変ホ長調」(1029年)、そして現存する山田耕筰最後の鍵盤作品「前奏曲 ト短調」(1951年)がある。
「前奏曲 聖福」は、4分の3拍子、調性感が曖昧で不穏な雰囲気を醸し出す序奏部分の後、変ニ長調で温かなメロディが奏される。23小節目からは2分の2拍子に変化し、聖歌「神はわが力」のメロディが奏される。