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ベートーヴェン :イギリスの歌「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 WoO.79

Beethoven, Ludwig van:5 Variationen über "Rule Britannia" WoO.79

作品概要

作曲年:1803年 
出版年:1804年 
初出版社:Bureau d'art et d'industrie
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:5分00秒

解説 (1)

執筆者 : 稲田 小絵子 (434文字)

更新日:2008年9月1日
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前作の《ゴッド・セイヴ・ザ・キング》変奏曲WoO 78に引き続き、イギリスの歌を主題とした変奏曲である。主題はイギリスの劇音楽家トマス・アウグズティン・アーンの仮面劇《アルフレッド》(1740年)より。「ルール・ブリタニア」とは、「統治せよ、英国よ」というやはり英国賛美を意味している。

作品成立の背景は、前作と同様、イギリスの民謡を収集・出版したジョージ・トムソンとの交流がきっかけになったのではないだろうか。事実、その後の彼の依頼によって、ベートーヴェンはいくつものイギリス民謡を編曲しているのである。なお、ベートーヴェンはこの曲をイギリスの象徴として《ウェリントンの勝利》にも取り入れた。

姉妹作のWoO 78の変奏が主題旋律を比較的保持していたのに対し、この作品は、和声をゆるやかに守りながらスケールやアルペジオの多用によって自由な変奏を連ねている。第1変奏で早くも拍子が変化し、主題の響きを隠していることからも、この作品が保守的な傾向から逸れていることがわかる。

執筆者: 稲田 小絵子
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