バッハ :フランス風序曲(パルティータ) 序曲 BWV 831

Bach, Johann Sebastian:Ouverture(Partita)  Ouverture

作品概要

楽曲ID:38418
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:10分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (524文字)

更新日:2024年4月1日
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まず、1~20小節間と、144~163小節間の注意点としては、拍の問題があります。これほど多くの装飾音が書かれていると、どうしてもテンポは落ちてしまいがちで、確かにこれらのトリルを弾くとき、無理のないテンポ設定が望ましいのかも知れませんが、これは2/2拍子で書かれている事を意識するようにします。

例えば自分が指揮者となり、2拍子を振ってみてください。結構遅い2拍子になるはずです。しかし4拍子に数えるととても速いテンポですね。このセクションは、2拍目を意識する事が大切になり、あくまでも2拍子で演奏するように心がけてください。

一方で、中間部(20~143小節間)では、主題がオクターブから始まります。例を取りますと、22小節目、左手のテーマは、1拍目の最後のHから始まり、次に2拍目のオクターブ低いHに飛びます。

しかしこれがコンスタントに起こらなあい場合もあり、例えば30小節目の2拍目には紛れもなくテーマが来ますが、前の1拍目にはオクターブ高いAがありません。しかしこれらは、テーマと見なして大丈夫です。結果、2種類のテーマ(オクターブで始まるものとそうでないもの)が存在するとお考え下さい。

テーマが出てきたらそれを優先して聴かせるようにします。

執筆者: 大井 和郎