まず、1~20小節間と、144~163小節間の注意点としては、拍の問題があります。これほど多くの装飾音が書かれていると、どうしてもテンポは落ちてしまいがちで、確かにこれらのトリルを弾くとき、無理のないテンポ設定が望ましいのかも知れませんが、これは2/2拍子で書かれている事を意識するようにします。
例えば自分が指揮者となり、2拍子を振ってみてください。結構遅い2拍子になるはずです。しかし4拍子に数えるととても速いテンポですね。このセクションは、2拍目を意識する事が大切になり、あくまでも2拍子で演奏するように心がけてください。
一方で、中間部(20~143小節間)では、主題がオクターブから始まります。例を取りますと、22小節目、左手のテーマは、1拍目の最後のHから始まり、次に2拍目のオクターブ低いHに飛びます。
しかしこれがコンスタントに起こらなあい場合もあり、例えば30小節目の2拍目には紛れもなくテーマが来ますが、前の1拍目にはオクターブ高いAがありません。しかしこれらは、テーマと見なして大丈夫です。結果、2種類のテーマ(オクターブで始まるものとそうでないもの)が存在するとお考え下さい。
テーマが出てきたらそれを優先して聴かせるようにします。