このサラバンド・ドゥーブルを弾く人は、1つ前の曲のサラバンド・サンプルを弾いた事があると思いますので、それを前提にお話をします。サラバンド・サンプルの場合、ゆったりとしたソプラノの歌のラインに対して、器楽的なアルペジオの伴奏が付く感覚ですが、サラバンド・ドゥーブル の場合、音価が細かくなり、左手に8分音符が連続し、右手に16分音符が連続します。
こうなると、どうしても「動き」という感覚を感じざるを得ず、それがバッハの目指したところであると思います。サラバンド・ドゥーブル は、サラバンド・サンプルの「変奏」と考えても構いません。
サラバンド・ドゥーブルを演奏しながら、もう一台のピアノで、サラバンド・サンプルのソプラノの部分のみを弾いて合奏してみて下さい。綺麗におさまるはずです。サラバンド・ドゥーブルを演奏するときは、サラバンド・サンプルのソプラノラインを意識して演奏してみて下さい。
もう1つ。「動き」を感じても、決してテンポを変えず、サラバンド・サンプルと同じテンポで進み、決して前のめりにならないように気をつけて下さい。