このサラバンドは、ポリフォニーの要素は強くなく、ホモフォニーの要素が感じられます。ソプラノとバスの2声と考えても良いです。そして、内声はその多くがアルペジオで書かれており、音は小節いっぱいまで、伸ばされて書かれているところから考えると、リュートなどのようなギター的な楽器の伴奏をイメージした曲と想像出来ます。その上に歌の部分があるとお考え下さい。
メロディーラインはソプラノにあり、ソプラノのラインを辿っていけば理にかないます。ソプラノの音価を注視し、その間に入ってくる、棒が上を向いた音符で、ソプラノとは異なった声部の音符もありますので、注意して下さい(例:7小節目2拍目、ト音記号のAはソプラノではありません)。
曲そのものは、悲しみの表現も含まれています(バッハのa-moll自体がそのようなムードの調です)。故に表現は多少強い方が良いでしょう。
その上で、メロディーラインと内声の区別をハッキリとつけると聴き易くなります。