ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 ないしょ話 Op.109-1
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) Confidence Op.109-1
作品概要
解説 (2)
解説 : 佐藤 卓史
(503 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (503 文字)
3巻の練習曲集とも、冒頭の1曲はハ長調で書か れています。「25の練習曲」の第1曲『すなおな心』の爽やかさと比べると、この曲はもっと内向的で繊細です。「ないしょ話」を打ち明けるときの心の揺れが、和声と強弱で表現されています。技術的には「25の練習曲」の『清らかな流れ』の系譜にある、1音を保持したままアルペジオを奏するテクニックの練習ですが、今回は1指ではなく5指(または4指)の保持が求められています。
演奏のポイント(原典 ♩=132)
細くて弱い5の指と、その隣の4の指が担当するメロディーがレガートで歌えるように、そして内声の 1・2 指はそれを邪魔しないように鍵盤のそばから静かに弾きます。こんな練習が役に立ちます。
和声的に重要なポイントには作曲者がアクセントやsfを書き込んでくれていますから、それを参考に表情豊かに演奏しましょう。9小節からの中間部はハ短調に転調し、同じモティーフが2度ずつ(9,10小節に対して11,12小節、13小節に対して14小節)繰り返されます。2度目は1度目とどのように変えて弾くといいか、考えてみましょう。
演奏のヒント : 大井 和郎
(952 文字)
更新日:2020年11月30日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (952 文字)
全体の流れ:
Allegro non troppo と標示されています。速く、しかし速すぎずという実に曖昧な標示記号ですが、察するに、あまり淡々と進みすぎないようにという意味だと筆者は捉えています。1小節の中に4つの3連符が並び、それは最後の小節まで途切れることがありません。音楽は途切れずにずっと流れているという事です。しかしながら、機械的にどんどん先に進むような音楽ではなく、圧迫感やアジタート的な感覚を伴う音楽でもなく、緩やかに、穏やかに、肯定的に、滑らかに、自由に、音楽を進ませます。決して「一瞬も止まることなく次から次へ」という音楽にならないように注意します。
全体の構成:
歌と伴奏であると考えます。右手、ト音記号上に4分音符として棒が出ている音符がメロディーラインと考えます。14ー17小節間、メロディーラインがどの声部であるかは意見が分かれるところであると思います。
注意点その1:
ルバートに関して。前述したように、この曲はメトロノームのように淡々と弾くのではなく、歌心が必要で、それにはある程度のルバートをかけることが必要になります。そこで、どのようにルバートをかけたら良いのかという話になりますが、簡単な方法としてはまず、旋律(メロディーラインのみ、3連符の2つめ3つめを除く)と、左手のバスを、2声にして演奏してみます。3連符を弾かないので4分音符を各小節に4つ弾く事になります。そこで各フレーズの中で強調したい音を決め、そこに向かって進み、その音に達したら衰退させます。そこで単に強弱だけではなく、タイミングを自由に取ってみましょう。
タイミングを自由にコントロール出来たら、今度は3連符を加えて普通に弾いてみましょう。その時、3連符が入ってきても先ほどの「自由バージョン」のタイミング通りにテンポを揺らします。
これで硬さから逃れ、たっぷりと歌うことが可能になります。
注意点その2:
メロディーと3連符のバランスに関して。この曲は、メロディーラインが拍の表である事は解っていても、ついつい3連符の方まで力が入ってしまいがちです。この曲の重要なポイントとしては、メロディー音と、残り2つの3連符の音の違いを付けることです。メロディー音はハッキリと、残り2つの3連符はppで演奏するようにします。
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