プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ 第8番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.84

Prokofiev, Sergei Sergeevich:Sonata for piano No.8 Mov.3 Vivace

作品概要

楽曲ID:32425
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:9分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開2 展開3

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解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (555文字)

更新日:2019年6月25日
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変ロ長調、12/8拍子。長大な中間部を付加されたロンド・ソナタ形式による、活き活きとしたフィナーレ。三和音をベースとした跳躍の多い主題から始まる。この急速で華々しい様相は、タランテラのそれであろう。また急激で幅広い音域の変化は、初期の小品を思わせる活き活きとした鋭さを、主題に与えている。

ロンド・ソナタ形式の進行を中断して、変ニ長調の中間部が現れる。バスの歯切れのいいスタッカートの定主題を基調として、音量的にも音域的にも、徐々にダイナミックさを増し、クライマックスののち、また遠ざかっていく。この特徴は、拍子こそ違うが、スネアドラムの一定のリズムを背景として、徐々に旋律が近づく構成をもつショスタコーヴィチの交響曲第7番の第1楽章を連想させる。ピアノの独奏曲でありながら、執拗な低音連打と激烈なクライマックスをシンフォニックな形で構成した書法には、執筆時に熾烈を極めていた戦争を連想せずにはいられない。

再現部は主題の途中から再現され、提示部よりもテクスチャが濃く、デュナーミク的にも華々しさを増しており、喜ばしく祝祭的に幕を閉じる。

執筆者: 山本 明尚

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