プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.83
Prokofiev, Sergei Sergeevich:Sonata for piano No.7 Mov.3 Precipitato
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開2 展開3
解説 : 山本 明尚 (691文字)
変ロ長調、7/8拍子の無窮動的なフィナーレ。標示のPrecipitatoは「性急に」という意味。この楽章のみを取り上げてアンコール曲にするほど、人口に膾炙していると同時に、いわゆる「弾き映えのする」曲であるといえる。
ロシア本国の学者の言葉を借りれば、この楽章は「ロシア的なトッカータ」、あるいは「ロシア的なスケルツォ」であるという。バスのオスティナートと力強いアクセントを伴う主要主題は、ロシア神話の英雄の力を想起させるという。この主題は終始2+3+2というリズムで奏でられるため、機械的な印象も持たれがちなこの楽章に、ロシア人は古代からの力強さを見出すようである。
主題部分が中間部を挟みこむ三部形式をとっているが、中間部も三部形式をなし、全体としてA-B-C-B-Aというシンメトリー構造をとっている。中間部はまず2+3+2というリズムを変化させる2+2+3というアクセントをもつ、主要主題を受け継ぐ力強さをもつ。それに挟まれているのは、本楽章の中で唯一はっきりとした旋律が提示される部分。この旋律は、第2楽章の関係調であるホ短調から始まり、第1楽章の主要主題を連想させる無調的な旋律、そして和声を完全に排除した旋律のオクターヴ・ユニゾンへと展開していく。
主題の再現は、提示部分よりも音域の幅が広がり、聴くものを圧倒せんばかりの迫力をもってして、コーダ最終部分の変ロ長調の主和音の響きへと突き進んでいく。
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ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章
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