プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第1楽章 Op.83

Prokof'ev, Sergei Sergeevich:Sonata for piano No.7 Mov.1 Allegro inquieto

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分30秒

解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (624文字)

更新日:2019年6月25日
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6/8拍子。ピアノ・ソナタの冒頭楽章に典型的な、ソナタ形式による。

この楽章について、作曲者自身は「無調」と表現しているが、実際の第一主題はB♭音を中心として構成されているようにみえる。しかし、巧みな半音階、三全音の活用とポリフォニーがそれを覆い隠し、「不安げに(inquieto)」という標示どおり、調性が感じ取れない不安定な響きのまま楽曲は進行する。この主題の調性以外の要素で特筆すべきは、リズムであろう。規則的で力強さのある、6/8拍子ながら行進曲を連想させるリズム・パターンが続くことで、「無調」的な素材が、不思議と耳馴染みのいいものになっているのである。拍子とテンポを変えて(9/8拍子Andantino)奏でられる第二主題は、やはり調性こそ不安定ながら、それぞれの部分で音階に準じて主題が構成されており、第一主題との構造上の変化がはっきりと現れている。

第二主題が非常にゆっくりと加速すると、楽曲は展開部に入る。ソナタ形式の型どおり、これまでに出現した主題によって構築されながら、縦横無尽に鍵盤上を駆け回り、プロコフィエフの楽曲に稀なほどの熱狂的なクライマックスを迎える。

再現部では第二主題のみが短く再現され、第一主題によるコーダを経て切断されたように終結する。

執筆者: 山本 明尚

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