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ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第26番「告別」 第2楽章 Op.81a

Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.26 "Lebewohl" 2.Satz Andante espressivo

作品概要

楽曲ID: 30734
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:1件
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解説 (2)

解説 : 岡田 安樹浩 (527 文字)

更新日:2019年2月16日
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(第2楽章)ハ短調 4分の2拍子

「不在」と記されたAndante楽章。付点リズムの主題の中に織り込まれた跳躍音型は、第1楽章で用いられた跳躍音型に他ならない。第1楽章では音階の第6音を半音低めた他、主要サブドミナント中心に作曲することで調性感をぼかしていたが、この楽章では主和音「不在」の主題と逸音の使用が調性感を曖昧にしている。

主題がようやく主和音に落ち着くのは第8小節においてであるが、すぐにVI度の和音を経由してヘ短調へ向かってしまう。

単音の音階・分散和音のパッセージに続いて和音のトレモロ音型を伴奏とするト長調(属調の同主長調)の主題があらわれる(第15小節~)。スタッカートの分散和音伴奏の上に断片的にあらわれる和音のソプラノ声部は3度下降をたどっており、第1楽章の動機がここにも姿をあらわしている(第19-20小節)。

冒頭の主題が長2度低く再現され(第21小節~)、続いて2つ目の主題も長2度低いヘ長調であらわれる(第31小節~)。

最後にもう一度冒頭の主題があらわれるが、ハ短調のドミナントを思わせる和声づけ(ニ-ロ-ヘ-変イ)から変ホ長調のドミナント(変ロ-ニ-ヘー変イ)へバスが半音階的に変化(ロ→変ロ)し、切れ間無く第3楽章へ移行する。

執筆者: 岡田 安樹浩

演奏のヒント : 大井 和郎 (607 文字)

更新日:2025年10月9日
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まずは、スフォルツアンドに関してです。スフォルツアンドに関しては、いつも述べているとおり、これは「その音だけ特に強く」と学んでいる人が大変多くいます。実際には、「その強弱の範囲内で少しアクセント」が正しい理解の仕方です。つまりは、フォルテのセクションにスフォルツアンドが書いてあればかなり大きい音なのですが、pのセクションにスフォルツアンドが書いてあったときはほんの少しだけアクセントを付けるという解釈で理解して下さい。

ヘンレー版にはこの楽章の1〜2小節間にこのスフォルツアンドが書かれておりませんが、版によっては1拍目の表拍、右手メロディーのGの下にスフォルツアンドが書かれております。これは言うまでも無く、pの部分のスフォルツアンドですので、少しアクセントを付ける程度に留めます。

この楽章のテンポはやはり1つにした方が良く、多くの音符が書かれてある小節はゆっくり、音符が少ない小節は速く というような事にならないようにするのですが、例えば17小節目2拍目裏拍には、128分音符が書かれており、このような部分でテンポを守ろうとすると、演奏は機械的になります。このような部分はそれなりに、自然にパッセージが流れるように時間を取って下さい。

執筆者: 大井 和郎

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